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1月25日講演:表現活動を通して読む
来年2025年の1月25日の午後に、オンライン研究会で講演します。演題は、
「表現活動を通して読む―大村はま実践における翻作プロジェクト」です。
北教大佐野比呂己教授主催のオンライン研究会「国語を学ぶ会」での講演です。
参加費は無料です。
1月25日のプラグラムは次のとおりです。
【オープニングメッセージ】13:30~
●佐野比呂己(北海道教育大学教授・釧路校)国語探究の深化と広がり ー北と南、理論と実践の架け橋ー
【話題提供】13:35~
●中野一哉(教育研究者)教科書をひらく、教科書からひらく
●村上呂里(琉球大学教授)子どものナラティブと作品のナラティブが響き合う教室 ――南の島のリテラシー実践
●小久保美子(前新潟大学理事・副学長)「既知の読み」から「未知の読み」へ
●首藤久義(千葉大学名誉教授)表現活動を通して読む ―大村はま実践における翻作プロジェクト(15:50ころ開始で1時間ほど)
【クロージングコメント】17:10~
詳細は、
https://www.facebook.com/events/689751793351042
でご覧になれます。
参加希望者は、主催者の佐野比呂己先生に、メッセンジャーでお問い合わせください。
私の講演の方向は次のようなものです。
私は、読解の理屈を議論する一斉授業の廃止を提案し、それに代わる方法として、学習者が作品を自分なりに表現することを通して読解・鑑賞・表現の力を伸ばすという学習方法としての翻作(ほんさく)法(翻作表現学習法)を提案してきました。
ただ命じて翻作させるのではなく、作る・演じるプロジェクトの中での目的達成を目指して能動的かつ探究的に翻作活動をすることを提案してきました。それを一言で言うと「翻作プロジェクト単元」ということになります。
私のこの提案は、大村はま先生の実践から学んだところが大変に大きいです。私は30歳ころ、大村はま先生現職時代の単元実践の12の単元授業を見学して、授業観が一変しました。
大村先生の授業では、従来の読解授業のように、教師が黒板を背にして、生徒に読解の議論をさせながら授業を進めるという姿が、一切見えませんでした。その代わりに大村教室にあったのは、一人一人が、自分の活動目的(作る・演じる・探究して発表するなど)の達成を目指して、それぞれが自分の活動に専念する姿でした。その姿こそあたしが理想とする「同時異学習」の姿そのものでした。
私は35歳のころ、翻作法による国語科授業を提案し、国語のプロジェクト単元を提案し続けてきました。
拙著『国語を楽しく―プロジェクト・翻作・同時異学習のすすめ』(東洋館出版社、2023年1月)はその集大成です。その本で解いた国語教育論の大部分が、その本質を、大村はま実践から学んだものであったことに、いま改めて築いて驚いています。
このたび、佐野比呂己教授のご厚意により、その話を、国語を学ぶ会数回に分けてお話する機会をいただきました。1月25日の国語を学ぶ会での私のレクチャーはその第1回目になります。
第1回目の演題は「表現活動を通して読む―大村はま実践における翻作プロジェクト」です。
その内容は、大村はま実践を「翻作プロジェクト」として見直し、その方法によってこそ、本物の読解と鑑賞の学習が成立する」というようなものになります。
ここで、一言お断りしなければならないことがあります。それは、大村はま先生ご自身が「翻作プロジェクト単元」という用語を使っていたわけではないということです。大村実践を私なりに見直して、「翻作プロジェクト単元」として価値づけたまでのことなのです。
これが、1月25日の私の講演の基本方向です。できるだけ具体的に分かりやすくお話したいと考えています。