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ダルマ
2022年2月11日 13:54
龍樹(ナーガルジュナ)の代表的な著書と言えば、『中論』だと思います。下記が『中論』の始まりの文章になりますが、このように龍樹と中観派は自派の定説を持たず、言葉・思惟の形而上学へ執着する他学派への批判が主になります。故に、中観派の主張の中で積極的な部分を見つけるのが難しいのですが、「相依性縁起」というものは比較的有名だと思います。そこで、今回はその相依性縁起の一つとして「原因と結果」の相依性を見
2022年2月11日 14:12
以下の前回の記事の続きになりますが、龍樹は十二縁起の無明と行についても相互依存関係を説いています。釈尊の十二縁起における無明と行の関係は、無明から行への一方的な関係のみを指しており、時間的な生起関係です。すなわち、無明が時間的に先で、行が時間的に後になります。原始仏教の記事で述べましたが、筆者は無明も行も「輪廻の主体」に結合したものと考えており、潜在煩悩である無明が過去世の業(カルマ)=罪障・
2022年2月13日 13:43
龍樹(ナーガルジュナ)の空性の定義は依存性(相依性)であり、何かに依存せずに生起したものは存在しないと説きます。そして、この空性を会得する者には全てのものが会得されるとします。逆に、龍樹にとっての本体・自性とは自立・恒常・単一なものであり、このようなものは存在しないと主張しています。龍樹が説く相互依存関係の例として、これまで「原因と結果」をメインに紹介してきましたので、それ以外についても触れて