「聞き逃し」「見落とし」だけでない!「聞く」「見る」に敏感な子どもへのアプローチも「ほっこり授業」におまかせ!

「多動傾向?」と思い込み、動きを止めようとしてしまう

見る・聞くに敏感な子どもたち

上の図は、筆者が以前に「見落とし」「聞き逃し」の子どもたちへのアプローチの回で示したものです。

※この図は、筆者が、「算数が苦手」「学習に集中できない」と思われる児童を観察して共通に見られる行動を分析し、整理したものです。現場目線のざっくりしたものなので、その辺は、ご容赦ください。

今度は、円の下方に「視覚運動系 敏感」と「聴覚音声系 敏感」とあります。
つまり「見ることから情報を得る」のが得意だけど、より細かく見えてしまう子を「敏感」ととらえてみてください。もう一方は「聞くことから情報を得る」のが得意だけどすぐ情報を処理してしまう子を「敏感」ととらえてみてください。

見ることや聞くことの特性を考慮したとき、学習に向かえない子どもには

  • 「見落とし」が頻繁で学習が途切れる

  • 「聞き逃し」が頻繁で学習の内容が理解できない

  • 瞬間的に目から多くの情報をキャッチし、その情報に囚われる

  • 聞いた瞬間に情報処理が始まり、自分のペースで反応したり、聞いた音の強さなどの影響を受けてた反応したりする。

先生たちが「じっとしてて!」「静かにして!」と言いたくなる子どもたちかもしれません。そして「じっとしてて!」「静かにして!」と注意して効果がなかった子どもたちかもしれません。

筆者も、若い頃は「多動傾向があるからなのかな。動き回られたらどうしよう」と、勘違いしてました。その子どもたちを「見る」「聞く」の特性を考慮して観察することもせず、その子の困り感を想像することもなく、授業を進めることを最優先にして、時には「褒めちぎる」や逆に「ペナルティー」など、その場しのぎの対応をしていた気がします。

敏感だから、細かいところまで瞬間にとらえてしまう

見たい情報が見えないと不安定になって、強いまたは無気力という感情として出てきます。見せてやることで納得します。

「Aさん、先生が話していても、黒板が見たいときは、黒板の前に静かにしゃがんで見ていいんだよ。」
もちろん、Aさん以外の人でも、同じことです。先生が寛容になればよいだけです。

「自分で、学びやすい場所にさっと動くことは、いいことです」と、その後のAさんの学ぶ姿で、みんなに納得させればいいのです。

Aさんには、「よく気が付くよね。周りに困っている人はいないか気にかけてあげてね。」と役割を明確にすると、驚くほど見事な仕事をします。

ノートの提出の際には、自分はノートを出したにも関わらず、ずっとそこにいることもあります。「ノートがまだ出てない人いないかな」とつぶやけば「ちょっと、待って。あー、(教室を見まわして)BさんとCさんがまだ。ちょっと言ってくる」という具合です。(早っ!)

筆者は、「先生が話しているにも関わらず、椅子の上に中腰になって、友達の方をキョロキョロ見ている子ども」がいたら、『よし!いい人材を見つけた!』と心の中でつぶやいています。

「ほっこり授業」では、前回紹介した種本「20日間でできる 学び合いスキル30の算数指導(石田淳一著東洋館出版社)」にある『学びやすい場所に自分から移動する』を実践しています。詳しく知りたい方は、参考にしてみてください。

次回は「聞く」ことに敏感な子どもへのアプローチです。

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