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「ロシュフォールの恋人たち」色の世界観
「ロシュフォールの恋人たち」という映画をご存知でしょうか?
原題は「Les Demoiselles de Rochefort」で1967年に公開されたジャック・ドゥミ監督のフランスのミュージカル映画です。
1964年に公開された「シェルブールの雨傘」で音楽を担当したミシェル・ルグランと3年後に再びタッグを組んだ作品。
私は60年代のフランス映画が好き。ヌーヴェルヴァーグと呼ばれた時代。いまでも色褪せない、素晴らしい映画が沢山あります。
アンナ・カンリーナ、ブリジッド・バルドー、カトリーヌ・ドヌーブなど、ファッションアイコン達が輝いていた時代。彼女達のファッションは今でも雑誌などで取り上げられ、リスペクトされています。
私は数ある60年代のフランス映画の中で、特に「ロシュフォールの恋人たち」の色の世界観に魅せられ、影響を受けました。
![画像2](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/46562653/picture_pc_856cc0e1b8e308fdb9904aa891df314a.jpg?width=1200)
主人公である双子の姉妹、デルフィーヌ(カトリーヌ・ドヌーヴ)左とソランジュ(フランソワーズ・ドルレアック)右。
この二人、実の姉妹で、姉のフランソワーズ・ドルレアックはこの映画の後、ニースに向う運転中に25歳の若さで亡くなりました。ディオールのモデルを務めたほど小顔でスタイルが良く、カトリーヌ・ドヌーヴよりも魅力的だと言われていました。
![画像2](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/46562560/picture_pc_dc1a0e56a5f095edb981a7452ecc1e4f.jpg?width=1200)
真ん中がジャック・ドゥミ監督。
フランス西南部の海辺の街ロシュフォールで繰り広げられる双子の姉妹の物語。 ソランジュは音楽家を、デルフィーヌはバレリーナを志し、いつの日かこのロシュフォールから飛び出し、花の都パリで自分達の力を試してみたいと思っていた。また彼女たちには、いつの日か素晴らしい恋人にめぐり逢いたいという夢もあった。
詳しいストーリーはWikipediaでご覧ください。
映画の一部をYoutubeで見てもらえば分かるように、白い建物にカラフルな色のドアや雨戸が映えるなロシュフォールの街。その街をパステルカラーの服を着たダンサーたちが踊る。
この映画は衣装、美術、街の全てがパステルカラーで統一されたジャック・ドゥミの世界です。
![画像3](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/46573810/picture_pc_c7195ef009f5be03df1d675dd5e9e838.jpg?width=1200)
8年くらい前にロシュフォールを訪れたことがあります。その時に撮ったコルベール広場の写真です。この広場が舞台になった場所です。
この映画を撮るにあたって幾つか候補地があったのですが、監督がコルベール広場を気に入ってロシュフォールに決まったそうです。
撮影前の広場に面した建物は軍事的な建物で、明るさが足りなかった。そこで監督はこの映画の為に40,000平方メートルのファサードを全て白く塗り直し、ドアや雨戸も明るい色に塗り替えました。
広場の中心部にある池の水は、他のセット色に合わせて青色に変えたり、全てのセットに拘りました。
姉妹の母親イヴォンヌが経営するカフェのテーブルのブルーカナールや姉妹の部屋の窓枠のピンクや建物の壁のイエロー等々、それらに合わせた衣装の色のバランスの妙。
![画像4](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/46630579/picture_pc_722c5b56e3e6f3d5d322ac04728b786b.jpg)
このブルーカナールという色はフランス的な色だなと思う。よく部屋の壁の色に使われているのを目にします。
様々なシーンで計算し尽くされたャック・ドゥミ監督の色の世界観を感じることができます。