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コラム

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アラカキヒロコによるいつもよりやや真面目な文字列。なにげなく思ったことから、書籍やイベントに対する感想まで。
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#曲

自尊心について

先月からなにかと自尊心に関するトピックに触れたり、思いがけず考えたりする機会が多い。

私自身、もともと自尊心がものすごく低く、あらゆることに傷つきヘトヘトになるため時期によっては毎日が拷問みたいだったけど、自分をいちいち一生懸命褒めれば自分で自尊心は上げられる、という嘘みたいな当たり前の真実を知ってからは、生きてることに感謝できるくらいには上がったと思う。

「上手くやらないと存在価値がない

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ラブソングを書く気

昨日のライブで「ラブソングはあまりなくて自分に向けて歌ったうたが多いですよね」と久しぶりに指摘してくださった方がいらして、『あ〜、昔そこすっごいよく言わたなあ…』と懐かしく思い返しました。
なくはないけど、確かに私、ラブソングっぽいラブソングがほとんどありません。
で、昔は、そう言われたら『やばい、やっぱラブソングも書かないと…』と思って書いたりしたんですが、作ったデモも大半は歌ってて楽しくないと

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内なる自分の声

忘れかけていた、昔の自分の、長い間苛まれていた想いを久しぶりに思い出すことがあった。

『何をしていても傷ついてしまうのはなぜだろう、ただ生きているだけなのに毎瞬毎瞬が苦しい…』
『まるでバグのような離人感。私は本当は生まれる予定ではなかったのでは?』
『消えてなくなりたい。自分で死を選択することさえだれかの迷惑になるのなら、最初から存在しなければよかった』
最後のは、思ってからいつも、少し楽にな

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重力に負けているこころ



夜明け前は星がよく見える。オリオン座の上にぎょしゃ座。

昨日はソ連が世界初の人工衛星スプートニク1号を打ち上げてちょうど60年だったらしい。そしてまばゆい満月だった。とにかく白い、ほのかに紅い、輪郭が青く輝く円。

なんて喪失感に満ちた夜だろうと思って見ていた。
なにを失ったわけでもないけど。いや、なにか失ってしまったのかな。わからないけど、ただ、まとわりつく悲しみの感覚を久しぶりに思い出し

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