PdM/デザイナー向け実務に役立つソフトスキル本(思考力・コミュ力)5冊/のんVer.
(このnoteは以前公開した記事を改題・加筆したものです)
こんにちは。atama plusというAI×教育のスタートアップでUXリサーチャー・UXデザイナーをしている野澤(のん)です。atama plusでは社内にライブラリーがあったり、日頃からお互いに良い本を薦めあったりしています。
atama plusに入社するまでは技術力・専門力といったハードスキルを重視していましたが、atama plusでスクラムで働くようになってプロダクト開発を前に進めるにはコミュニケーション能力や、問題解決能力、チームワークといったソフトスキルが大切であることを痛感するようになりました。
自分なりに本は読んでいましたが、思考力やコミュニケーション力といったソフトスキルを実務で上げることはなかなかできませんでした。ですが、もがく私へatama plusのメンバーから個人的にオススメしてもらった本が素晴らしく、それらの本を何度も読み返しては実践することで、実務での思考力やコミュニケーション力について周囲からもポジティブなフィードバックやコメントをもらえるまでになりました。
このような良い本を他の方にも紹介したく、この記事では私のソフトスキルを実務レベルで向上させてくれた社内からのおすすめ本5冊を紹介します。
1.正しく考え、正しく伝える技術を学べる本
ロジカル・プレゼンテーション ― 自分の考えを効果的に伝える戦略コンサルタントの「提案の技術」
自分の提案(プレゼンテーション)がうまくいかないときに読んだ本です。
実は仕事では「提案」がとても大切です。
・次は、こういう機能を作りませんか?
・こういうことをみんなで実行しませんか?
・これはもうやめてしまいませんか?
提案で大切なのは「正しく考え、正しく伝えること」。伝え方がうまくても考えていることが適切でなければ良い提案になりませんし、考えていることが良くても伝え方がイマイチだと相手に理解してもらえません。
この本の前にも、ロジカルシンキングやコミュニケーションについてはたくさんの本を読んできて「MECE」「ロジックツリー」などはもちろん知っていましたが、いまいち実務に活かすことができませんでした。
この本は現場で通じるロジカル・プレゼンテーションをストーリー仕立てでわかりやすく言語化してくれています。最初読んだときは目から鱗すぎて、要点をメモしたらほとんどの内容をメモすることになりました。
「提案してもうまくいかない……」ということに苦しみながら、何度も何度も読み込んで実践した本です。周囲にも相談しながら実践を重ねることで、自分の提案が劇的に通りやすくなりました。
2.思考の構造化・テキストでのコミュニケーションスキルをあげてくれる本
超・箇条書き
リモートワークになってSlackやテキストベースでのコミュニケーションが増えた方もいらっしゃるのではないでしょうか?テキストで長くて複雑な内容を伝えるのは本当に大変です。そんなときに役立つのが箇条書きです。
私は箇条書きなんて誰でも使えると思っていましたが、この本はまさにタイトル通り「超・箇条書き」。
どの順番で並べるか、どう構造化するか、何を伝えるかなど他者へのコミュニケーションだけでなく、自分の思考の可視化・構造化にも役立ちます。
この本の教えを実践したところ、「まとめがめちゃ端的でわかりやすい!」と周囲からポジティブなフィードバックをいただくことが増えました。
3.自分の言いたいことが感じよく言えるようになる本
NVC 人と人との関係にいのちを吹き込む法
一つ前の超・箇条書きと同じく、リモートワークでSlackのやりとりが増えた中で劇的に役立った本です。この本を読む前は、リモートワークに限らず言葉がきつくなりすぎて「言いたいことがうまくいえない……」「殺伐とした雰囲気になる(泣)」という悩みを抱えていたのですが、この本を読んで実践したところ言いたいことを伝えながら周囲からは「Slack、とても素敵で丁寧ですね」とポジティブなフィードバックをいただくようになりました。
一つだけエッセンスをお伝えすると「こうしたほうが良いと思います」という話し方はビジネスではよく使うと思いますが、実は人を傷つけてしまうことがあります。何が良いか悪いかは人によって価値観が異なるからです。
この本には人を傷つけずに自己主張する手法がとても実践しやすく書かれています。気になった方はぜひ読んでみていただけたらと思います!
4.シリコンバレーのレジェンドレベルのコーチングを学べる本
1兆ドルコーチ――シリコンバレーのレジェンド ビル・キャンベルの成功の教え
Googleを始めとしたシリコンバレー中の有名企業のエグゼクティブにコーチをしていたビル・キャンベルの教えをまとめた本です。著者は Googleの元CEOエリック・シュミットです。
ビルが会社を辞めると、惜しんだ社員たちが、お別れの新聞広告を出すほど人々から愛されるコーチでした。エリック・シュミットもビルの教えがなくなることをひどく惜しんでこの本を出すことにしたそうです。
プロダクト開発ではうまくいかないことの連続ですが、そんな中で大切になる人への接し方、コーチング、チームについて、人間としての魅力についてリアルな実例を通して学ぶことができました。
5.不確実な世界を行きていくための羅針盤になる本
エンジニアリング組織論への招待 ~不確実性に向き合う思考と組織のリファクタリング
エンジニアリング組織論というタイトルからエンジニア向けかと思われるかもしれませんが、UXデザイナーの私が読んでも心の支えになる本でした。自分には解けない難しい問題の前に立ち尽くして悩んでいた私に周囲の人が薦めてくれた本です。
世界とは実に不確実です。未来がどうなるか誰にもわかりませんし、他人が本当はどう思っているのかも私にはわかりません。
それなのに私は「この先どうなるんだろう」「あの人どう思っているんだろう」のように悩む日々を送っていました。このような「悩む」状態では頭の中に様々なことが思い浮かび、ぐるぐると思考がめぐり続け、もやもやし続けてしまいます。これは非常に苦しいうえに、生産的ではありません。
他人や未来という不確実なものに対して、ぐるぐると悩むのではなく、わからないことを考えて調べる。そして行動して確かめる。そうして不確実性をどんどん減らしていく。
ぐるぐる悩まず分からないことを調べたり、周囲に相談するということを覚えてから本当に心が軽くなりました。
この記事を書くために読書メモを読み返しましたが、何度読んでも学びがあります。同じようなつらい思いをしている人に読んでもらえたら嬉しいです。
まとめ
この記事ではatama plus社内でおすすめいただいた本の中で私の仕事を劇的に変えてくれた5冊を紹介しました。atama plusのメンバーは個人でも本を読んだり薦めあっていますし、社内では読書会も頻繁に開催しています。2021年に行われた読書会で読んだ本もnoteにまとめています。そちらの記事もぜひご覧いただけたら嬉しいです。
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