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ソルトさん

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最近、詩の投稿にハマっています。今のところ提出したのが現代詩手帖、日本現代詩人会とココア共和国(詩誌)の3方面。他に詩と思想など、詩誌などはあります。私はへなちょこですが、いずれこういった詩誌などに掲載されるよう、精進いたします。

同一性に関わる根本問題2(菅原)

物理的な物に関しては、完全に同じものは無いということが、一つの問題になる。これは、素粒子物理学的に考えた場合、明らかである。素粒子的に全く同じ組成の物体は、二つと無いと考えられるからである。そしてこの点が概念との違いの一つとなる。
概念の側から見た場合、言葉の問題で、同じ言葉(の組み合わせ)で表現された概念は同一であると考え得るのである。この点が物理的な物との違いの一つになる。

ドゥルーズ「差異と反復」 ブックレヴュー2

ジル・ドゥルーズが1968年に出版した著作「差異と反復」は、かれの前半期の営みを集大成する業績である。かれがこの著作の中で展開したのは、西洋の伝統的な哲学思想(それをかれは形而上学と呼んでいる)の解体であり、そのうえで、全く新しいタイプの思想を構築しようというものだった。そうした問題意識は、ほぼ同時代を生きたライバル、ジャック・デリダと共有していたものだ。デリダのほうは、1967年に「声と現象」や

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レゲエ

ボブ・マーレーは最高だった。
しかし、それ以降のレゲエを聴かれたことがあるだろうか。最悪だと思う。レゲエ、いいんじゃない、と言う方は、レゲエを聴いたことがないか、ディープなレゲエファンか、どちらかなんじゃないか。或いは、気にならない、という方が多いか。ファン以外で。
マーレーのファンだったから比較してしまうのかもしれないが、それにしても酷いと思う。

ウィトゲンシュタイン「論理哲学論考」4・03

4・03 命題は既存の表現で新しい意味を伝えなければならない。
 命題はわれわれにある状況を伝える。それゆえ、命題は状況と本質的に結びついていなければならない。
 そしてその結合とは、まさに命題が状況に対する論理像であることにほかならない。
 命題は、ただ像であるかぎりにおいて、何事かを語るのである。

野矢茂樹 訳 岩波文庫

価値判断の権能

ドゥルーズ「差異と反復」の背表紙に、「差異を同一性から解き放ち」の一言がある。この背表紙の筆者を仮に高く評価して(実際にどうかはまだわからない)、プラス、マイナスの価値評価なしに、こう書き得たとしよう。つまり、差異がプラス、同一性がマイナスと短絡しなかったとする。
差異は、言ってみれば数多性や複雑性へとつながる。一方、同一性は、単一性や単純性をイメージさせる。「差異を同一性から解き放ち」は明快な言

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今日の「論考」 4・027

これは一つのポイントだと思う。なぜ、以前からある言葉の組み合わせで新しい意味が伝えられるのか。
その本質を突き止めることは難しいが、一つの側面がある。コカもコーラも、以前からある言葉だった。しかしコカ・コーラという飲み物として新しい意味を持つようになる。これと似た形で、以前からある言葉(また言葉の組み合わせ)が新しい意味を持つようになるのではないか。商品名はその一例として、である。もう一つ。ポール

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ウィトゲンシュタイン「論理哲学論考」4・027

4/027 命題はわれわれに新しい意味を伝えることができる。これは命題の本質に属している。

野矢茂樹 訳 岩波文庫

今日の「論考」4・026

また文字通りの意味になってしまうが、私たちの命題の理解は、語の理解を前提とする。しかし私たちのコミュニケーションは、命題によって為される。これはある意味、不思議なことかもしれない。命題の意味を知るには、命題を説明してもらうのではなく、語を説明してもらうという含意もあるか。いずれにせよ、深い話。

同一性 二つの意味 Wiki

同一性とは、主に英語の「identity」を翻訳した語であり、多義語である。日本語に即して説明すれば、ひとくちに同一性といっても二種類の意味があり、「Aは何者なのか」という意味での同一性と、「AとBは同じだ」という意味での同一性がある。ウィキペディア

概念と物質1

概念の同一性が可能であることを、物理的な同一性が不可能であることとの、比較・対比によって考えてみたい。
概念の同一性と、物理的な同一性の想定との違いは、そのまま概念と物理との違いだが、それに加えて、何よりも、概念が、無数の概念が同一的でありうるのに対して、物理的な同一性は、文字通りただ一つのものの同一性・唯一性であるという点にある。

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同種粒子の弁別

私だけの考えかもしれないが(「同種粒子の不可弁別性」に対する反対意見)、同じ種類の粒子(原子)でも、状態が違うので、それぞれ異なる粒子ではないか。位置は決定できないとしても、それぞれの原子の状態、例えば原子の崩壊、周りを回る電子の状態や、放出する粒子(アルファ線、ベータ線、中性子線など)の状態などによって、同種であっても、粒子(原子)の個体性は弁別されると考える。

同じであること

同じであること、同一であること、と、異なること、違くあること。同じであること、同一であることは、厳密には、物理的に不可能である。どんな物同士にも、必ず、違いがある。だから、同一であるとは、物理的にではなく、概念的に可能であると考えることができる。ここでは、物理的な同一性とは、先ず物質の同一性のことである。私たちは最初に、物質の同一性の不可能性について考え、次に、概念的な同一性の可能性について考えな

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