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『行動分析学入門』(2/2)
前回は、心理学の一つである行動分析学のさわりの部分を紹介しました。行動の法則を学べば、行動の問題が解決できます。
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今回は具体的な部分を掘り下げていきます。
一緒に学びましょう!💪
まずは基本から
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行動の前にはきっかけがあります。そして行動し、直後に状況の変化があります(行動随伴性)。きっかけ→行動→状況の変化、です。
状況の変化には、好ましいもの(|好子《こうし》)と、嫌なもの(|嫌子《けんし》)の2種類があります。
好子、嫌子の定義は厳密には違いますがイメージで覚えてもらってOKです。
この状況の変化が好ましい(好子👍)か嫌なもの(嫌子👎)かによって、次回の行動が増えたり減ったりするのです。
この基本型を図にするとこうなります。
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また、好子👍・嫌子👎と行動が増える⤴・減る⤵を組み合わると、4種類の随伴性パターンに分類されます。
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ちょっとわかりづらいと思うので、例を交えてこの4種を見ていきましょう。
好子👍出現の強化⤴
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行動の直後に好ましいことが起こると(好子👍出現)、その行動は将来繰り返される(強化)
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例えば、日常生活の中の「部屋が暗いから電気をつける」のも好子出現の強化です。
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ここで面白いのは、同じスイッチを押す行動であっても「電気を消す」方は強化の行動随伴性は存在しない、ということです。
だから、「部屋を出るときに電気を消さないことを非難すること」は行動分析学の観点からは的外れなのです。おもしろいですね。
嫌子👎消失の強化⤴
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行動の直後に嫌なことが無くなると(嫌子👎消失)、その行動は将来繰り返される(強化)
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例えば、雨のときに傘をさすことです。
ちなみに、傘をさす理由は「雨が降ってるから」ではなくて「雨に濡れないから」です。と本書に書いてあってハッとしました。
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好子👍消失の弱化⤵
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行動の直後に好ましいことが無くなると(好子👍消失)、その行動は将来やらなくなる(弱化)
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例えば、会食でテーブルの奥の食べ物を取るために身を乗り出して、飲み物をこぼしちゃった。なんてことありませんか?
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嫌子👎出現の弱化⤵
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行動の直後に嫌なことが起こると(嫌子👎出現)、その行動は将来やらなくなる(弱化)
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例えば、仕事でよくあることですが、悪いことが起こって上司に報告すると怒られる、というのもこれですね。
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なるほど、将来は行動が減るわけだから「だんだん報告しなくなる」わけです。行動分析学の観点からすると「当たり前の現象」なわけですね。
「社会的悪循環」と小さな「箱」
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本書の中で「おっ!」というつながりを見つけました。「社会的悪循環」という言葉を説明している部分です。
きちんと対応しない妻に対して暴言を吐く夫と、その夫に対して反論する妻の構図です。
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「夫は好子出現の強化」をし、「妻は嫌子消失の強化」をするという、お互いが悪い意味で強化しあう関係になっているのです。
実はこれ、過去に投稿した『自分の小さな「箱」から脱出する方法』に出てくる「箱」に入っているとお互いを責め合う構図と同じなのです。
人間関係の改善にも行動分析学の学びが活かせそうですね。
行動を改善する
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「行動を増やしたい!」
「悪い習慣をやめたい!」
ということありませんか?でも、意思や意欲があってもなかなかできません。そこでカギになるのが行動分析学なのです。
簡単に紹介します。
①抹殺法
そのもの自体を身の回りから排除して問題解決する方法です。例えば、タバコやスマホ。ものさえなければ行動できません。
②新しい随伴性を加える
例えば、タバコを吸うと気分が悪くなる薬を飲んでタバコをやめる。罰金もありですね。
③代替行動
例えば、ストレス解消のためにお酒を飲むのをやめたいのであれば、「代わりに運動をする」などです。
④行動を増やすには
人為的に強化の随伴性を設定します。例えば、行動の後にごほうびを用意するとその行動は強化されますね。
前回でも紹介したように、行動を「随伴性」というメガネを通して見て、行動の直後の「状況の変化」をよーく観察してみましょう。
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日常を行動分析学に当てはめてみることで、さまざまなものが見えてきそうですね。
まとめ
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行動分析学の観点では、「心」も行動なんだそうです。そんな行動分析学という心理学の入門書を紹介しました。
よく、先入観にとらわれないために「色メガネを外す」なんて表現がありますが、行動分析学では逆に「メガネをかける」んですね。
日常の行動を「随伴性」というメガネを通し、行動の直後の「状況の変化」をよーく見てみましょう。私も行動の改善、がんばります。
本日の学びはここまで。また来てください。👋
読書期間 2021/11/13-2021/12/02
初版発行 2005/09/21
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