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『教えないスキル ビジャレアルに学ぶ7つの人材育成術』

管理職、リーダー、先生、お母さん、お父さん、指導する側のすべてのみなさんに、ぜひ読んで学んで実践してほしい本です。

著者は、サッカー指導者である佐伯夕利子さん。スペインサッカー界で初めて女性監督になられたかたです。

できれば、本書の終章を最初に読んでほしいです。

終章には、彼女がなぜサッカーを好きになり、どんな苦労があったのかが書かれています。先に読むことでより味わい深い読書になると感じました。

さて、舞台はスペインのサッカークラブチームであるビジャレアルになります。

なんと。成長したのは、選手ではなくコーチたちなのです。

指導者とは、どうあるべきか?


一緒に学びましょう!💪


コーチがコーチングを受ける

本書は基本的に、ビジャレアルのコーチたちがメンタルコーチングを受けて成長していく話になります。

勝手な印象ですが、海外の有名クラブチームのコーチレベルであれば、「コーチングする側」だと思い込んでいたのです。

それが、実際はそのコーチたちが「コーチングを受ける側」だったのです。逆にびっくりしました。

とはいえ、この改革の話は10年ほど前の話です。

一方で、「コーチング」という言葉がよく聞かれるようになったのは、5年以内くらいではないでしょうか。

そう考えると、当時は革新的な取り組みだったのだと思われます。


強制的に俯瞰させる

「自分のことなら、ちゃんと客観視(俯瞰)できている」

指導者ならそう思っていると思います。いえ、思い込んでいるのです。でも、実際はできていませんでした。

「自分を俯瞰してみて」と言っても、できているつもりだったり、よくわからなかったりします。では、どうするのか?

そんなときは「仕組みで解決」です。

コーチングの基本ですが、人に言われるのではなく「自分で気づく」ことが大事なんですね。

実際、コーチたちには多くの気づきがありました。


「いいね」は空っぽ

コーチたちの反省として「いいね」に対する指摘がありました。

「いいね」は指導者としては空っぽであり、価値のあるメッセージではない。と、メンタルコーチから指摘されたのです。

これ、私も反省するところがあります。
「ありがとう」という言葉は出せるのですが、

「○○をしてくれて、ありがとう」
「○○さんが、△△してくれたから、◇◇で助かった」

と、ひと言加えることがなかなかできていません。本で学んだことを、自分と結びつけて振り返る機会にしたいですね。

noteでの「スキ」は、気持ちを伝えるひとつのカタチです💖


学びを共有すれば、全体がレベルアップ!

メンタルコーチを介した、それぞれのコーチの気づきがあり、コーチたちはそれぞれの学びを共有しました。

異なる学びを共有し、対話をすれば、全体のレベルアップになるのです。
いいですね!

noteは、みんなの学びを共有して、みんなが成長する場です✨


「考える力」のない子どもたち

以前のコーチたちは、子どもたち(選手たち)に「一方的に教え込んで」いました

そうすると、子どもたちはどうなるでしょうか?

教え込むと「自分で考える回路」が休止します。どんどん考える力がなくなってしまいます。子どもたちが考える機会を大人たちが奪っていたのです。

これ、まさに日本の教育現場も同じですよね。本書でも指摘されていました。

ですが、ビジャレアルのコーチたちは成長しました。人として成長したのです。それにより、子どもたちも自分で気づき、成長します。

指導者は、子どもたちの学びの機会を創出するファシリテーターに過ぎない

のです!


「主語」を置きかえる

以前のコーチたちは、「主語が自分」になっていました。だから、「教え込む」という発想しか出てこないのです。自分が主役なんですね。

ですが、本当の主役は子どもたちです。「主語が子どもたち」でなければいけません。

「主語」を置きかえるそれだけの考え方の違いで、自分たちコーチがやるべきことがはっきりわかるようになったのです。

場面が変わりますが、最近の日本を思い出してください。
「主語が自分」になっている政治家が多すぎるように思いませんか?

「主語が国民」になれば、少しは…いえ、もっと日本がよくなる、と本書を読みながら感じました。


成果はずっと先でいい

選手たちが、選手である間だけ幸せであればそれでいいのか?

成長したコーチたちは、そう問い、こう考えるようになりました。

選手たちが引退したあと、どう生きていくか。それが究極の指導成果だ。

ステキですね。
日本ではどうでしょうか。

私にも小学生、中学生、高校生の子どもたちがいますが、

「今さえよければ」(あとは知らない)
「卒業さえしてくれれば」(あとは知らない)
「進学してくれれば」(あとは知らない)

と、先生たちが思っているように見えてしまいます。少なくとも行動はそうです。

とはいえ、「他人の人生まで考える余裕なんてない!」という先生たちの状況も理解できます。

では、どうすればいいのか?

本書では、「まずは指導者であるコーチたちが変わることが大事」だと示されました。ということは・・・


まとめ

ところで、私はスポーツは得意ではなく、見る趣味もないのでサッカーにも興味はありません(笑)。ですが、

本書は、サッカーに興味がない人にも大変学びになります

部下や子どもたちが、自ら考えるにはどうすればいいか?

本書のコーチたちを自分に置きかえて、「主語はだれであるべきか?」を考えるよいきっかになると思います。


本日の学びはここまで。読んでいただき、ありがとうございます!
また来てください。👋


きしゃこく先生にご紹介いただきました。
いつもありがとうございます😊

読書期間 2024/03/04-2024/03/09
初版発行 2021/02/06

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高橋ひろあき | 学びのアウトプット士
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