『行動分析学入門』(1/2)
ご存じですか?
「行動分析学」って心理学の一つなんです。「心」が入ってないのに。
行動分析学は、10万部以上売れた『心理的安全性のつくりかた』の中にも出てくる、心理的安全のために身につけたい学びの一つです。
「もうちょっと掘り下げて学びたいなぁ」と思っていたんです。
一緒に学びましょう!💪
「行動分析学」とは
行動分析学には基礎と応用の2つの側面があります。
基礎
人間や動物の行動には原因があります。この原因を解明し、「行動の法則を発見する」のが行動分析学の基礎科学です。
「自分の行動が何かの法則に従っている…」。想像できますか?
それを発見しようとしているのです。おもしろいですね。
応用
行動の法則がわかれば応用もできます。
「人々の行動の問題を法則にもとづいて解決する」のが応用科学です。
「やりたい行動」「やめたい行動」など、誰もが行動に関するさまざまな問題を抱えていると思います。
行動分析学を学べば、行動の問題の解決に役立ちます。
専門的な言葉は少ない
「なんだか難しい言葉がいっぱい出てきそう…」と多くの人が思われるかもしれませんが、安心してください。
行動分析学は「節約の原理」に徹しています。
ごく限られた言葉で人間を含む動物の行動を説明するのが、行動分析学のおもしろいところの一つです。
とはいえ、「好子(こうし)」「嫌子(けんし)」という聞きなれない言葉も出てきます。この辺の詳細は次回ご紹介します。
「行動」を説明する
以下の言葉を見てください。
人の行動の原因を説明するとき、これらの言葉を使っていませんか?
「○○さんは、意思が強いからあんな行動ができる」
「△△さんは、長男だから責任感のある行動をする」
「◇◇さんは、O型だから社交的で人見知りをしない」
などなど。でも、
行動分析学ではこれらの言葉を行動の原因とは考えない
例えば、「血液型」「兄弟順」「年齢」がわかりやすいですが、これらは変えることはできませんね。
コントロールできないことを原因と考えても無意味である
と、行動分析学では考えるのです。逆に言うと、コントロールできる原因を見いだすのが行動分析学です。なんだか心強くないですか?
「行動」とは
行動分析学における「行動の定義」もおもしろいです。
行動とは、死人にはできない活動のこと
例えば、「崖から落ちる」「怒らない」「会議中一度も発言しない」「上司にほめられる」「静かにしている」は行動ではありません。
つまり、~される(受け身)、~しない(否定)、~している(状態)、は行動ではないのです。別の言い方をすると、
行動とは、能動的に何かをすること
とも言えます。
覚えていって!「行動随伴性」
「行動随伴性」という、行動分析学における大事な考え方を是非覚えていってください。
行動随伴性とは、
「行動」とその「直後の状況の変化」との関係
行動を、「随伴性」というメガネを通してみると、行動の直後に「状況の変化」が起こっています。この考え方こそが行動分析学の真骨頂なのです!
まとめ
行動分析学という心理学のさわりの部分を紹介しました。
行動とは、死人にはできない活動のこと
コントロールできないことを原因と考えても無意味である
行動随伴性とは、行動とその直後の状況の変化との関係
次回は、この行動分析学をどうやって活用していくのか?を学びましょう!
本日の学びはここまで。また来てください。👋
読書期間 2021/11/13-2021/12/02
初版発行 2005/09/21
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