キャリア教育、何から始める?
自宅と学校に行き来だけで過ごしていると、コンビニを含めた販売や外食産業など日常生活で接点を持つ可能性の高いものに対しての認識はあるけれど、それ以外は・・・となりがちなのは至極尤もな話。
そんな学生たちに、「やりたいこと」だの「自己分析」だのという孤立しがちなキャリア教育で果たしてよいのだろうか?とずっと思っていたので、あえてそこから入らず、みんなで考えるところからスタートさせていた。
例えば・・・当時担当していたクラスは、部活経験者やスポーツが好きな学生が多かったので、「サッカー」を中心にして、どんな仕事が世の中にあるのかを考えさせてみたりとか。
当然、「サッカー選手」から始まり、「監督」や「コーチ」、「チーム運営組織」、「学校(部活)」なんかはスグに出てくる。しかし、ある一定のところまで行くと手が上がらなくなってくる。
そこで・・・「選手って食事どうしてるんだろうね?」とか、「試合で身に着けてるものは?」とか、「そもそも試合をする場所って誰が運営してるのかな?」、「最近はiPadみたいなものを見ながら指示してる監督もいるよね?」、「ウイイレってどうやって制作してるんだろうね?」みたいなヒントを出してあげると、そこから息を吹き返したように手が上がり始める。
そして、このあたりになるとスポーツに興味が薄い学生でも知っていることも出てくるので、クラス全体を巻き込むこともできてくる。で、出てきた仕事を線でつなげていくと、中には遠い親戚みたいな感じのものも出てくるけど、いろんな仕事の関りがあって成り立っていることを理解できる。
もちろん、「これを自分の興味関心のあるものでやってみよう!」という課題(これを個人面談で使う)の布石でもあるんだけど、それだけでなく、「いろんな考えを持った人がクラスの中にいて、その1人1人の存在があるからこそ、1つの課題が完成したんだけど、実際の仕事も似たようなものだよね。だから、同じようなスタンスで「就活」をみんなで乗り切ろう」という雰囲気づくりもしたかった。
自由にやらせてもらえる環境の学校だったので、こういったことができたと思うけれど、何からキャリア教育を始めようかと悩んでる人や、これから就活を迎えようとしている人にとって、ヒントになればいいかな・・・と。