釧路春採店に魅せられて 六花亭
私は長いこと、六花亭が好きではなかった。
深い理由はない。
ただ何となく、
お高くとまっているというか
気取っているというか
そんな程度の理由だった。
北関東に住んでいて、
北海道とも無縁に過ごしてきた。
そんな折
昨春、突然息子が北海道釧路市の大学へ進学。
身近になった北海道
息子がお世話になっている釧路へ何度か足を運ぶ。
行くたびに魅了されて
釧路のいろんなことを知りたいと思い始めた。
昔のことも今のことも。
アンテナを張り巡らせる。
ある日
いつもチェックしている釧路の人たちのSNSに
六花亭釧路春採店閉店のお知らせがアップされた。
惜しむツイートの中に
2F喫茶室の写真
六花亭に何の思い入れもなかった私だが
その写真に写った風景の美しさに心惹かれた。
閉店まで1か月
急きょ、釧路に向かう。
空港からバスで釧路駅へ
そして市内循環バスに乗り換えて春採まで。
バス停から転がるように坂道を下り
駆け込んだ六花亭釧路春採店
ラストオーダー2分前
急いで2Fの喫茶ルームへ階段を駆け上る
言葉を失った…
店半面の、大パノラマ。
春採湖を望む
世界三大と称される釧路の夕陽
ラストオーダー間際を詫びると
「ごゆっくりなさってください」と笑顔のスタッフ。
店内に私だけ
こんな贅沢なひとときを過ごすことへの 罪悪感
売店フロアで初めてきちんと向き合ったお菓子たち
その一つひとつに込められた大切な想い
子どもたちの詩
北海道の四季
郷土の誇り
私、何にも知らなかったんだ…
先日、テレビで
坂本直行さんが釧路春採の生まれだったことを知る
春採湖の野花や野鳥に触れて過ごした幼少期
直行さんの原点
自然豊かな春採湖が蘇る
思わず
六花亭にメールを入れた。
しばらくすると、電話がかかってきた。
メールを送ったことへのお礼
その優しさに思わず涙で言葉が詰まってしまった。
送ったメールに対しての返信もあった。
あれだけの知名度になれば
多くの意見が届くはず。
問わず語りのような
私の問いかけに応えてくれた。
お菓子だけでなく
一人ひとりのことも大切に想う
隅々にまで行き届いている経営理念を思うとき
スタッフ一人ひとりのことも大切にしていることに気づく
遅ればせながら
六花亭のことを
みんなが好きな理由が分かった
ゴールデンウィークは
帯広十勝に行ってみよう。
飛行機を予約した。
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