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【歴史・時代小説】『本能寺燃ゆ』第二章「性愛の山」

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男は村を去った、「天下を取りに……」という言葉を残して。少年は、男のあとを追って、村を出る、男への愛を求めて。だが、彼の前に、幾多の困難が………………。武士の野望と、少年の純愛、…
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2021年4月の記事一覧

【歴史・時代小説】『本能寺燃ゆ』第二章「性愛の山」 27

「全く、どうしようもない女たちだね」  老婆は呆れていた。 「さてと、煩いのがいなくなっ…

hiro75
3年前
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【歴史・時代小説】『本能寺燃ゆ』第二章「性愛の山」 26

「なかなか一丁前なことを言うようになったじゃないかい。ぼう、こっちに来な」  老婆の後に…

hiro75
3年前
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【歴史・時代小説】『本能寺燃ゆ』第二章「性愛の山」 25

「いや、これだ」  と、八郎も負けていない、九本だ。 「ここまで見てやろう」  今度は六…

hiro75
3年前
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【歴史・時代小説】『本能寺燃ゆ』第二章「性愛の山」 24

「婆、来たぞ」  薄暗い奥の方に声をかけると、 「うるさいね、デカい声だすな、聞こえてる…

hiro75
3年前
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【歴史・時代小説】『本能寺燃ゆ』第二章「性愛の山」 23

 しばらくすると、大きな通りに出た。  ここもすごい人だ。  道の左右に、木材を組み合わせ…

hiro75
3年前
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【歴史・時代小説】『本能寺燃ゆ』第二章「性愛の山」 22

 八郎に連れられて三日目、東坂本に出た。  それまで、特に山賊に出会うこともなく、何か所…

hiro75
3年前
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【歴史・時代小説】『本能寺燃ゆ』第二章「性愛の山」 21

 最澄が遷化後、弟子たちによって比叡山の伽藍は整えられ、また高名な僧侶を幾多も輩出した。  平安の末から武士の時代である鎌倉の世にかけて、武士や庶民ならず、公家たちにも広がっていった宗派の開祖は、殆どが比叡山で学んでいる。 『南無阿弥陀仏』と唱えるだけで極楽に往けると説き、末法思想と相まって庶民や公家に広まった浄土宗の法然(ほうねん)しかり、その法然の弟子であり、現在一向宗として朝倉氏や織田氏などと対抗している浄土真宗開祖の親鸞(しんらん)、精神修養に重きをおき、武士に人

【歴史・時代小説】『本能寺燃ゆ』第二章「性愛の山」 20

 山とは、比叡山延暦寺のことである……………と、あとで八郎に教えてもらった。  当代、花…

hiro75
3年前
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【歴史・時代小説】『本能寺燃ゆ』第二章「性愛の山」 19

「帝や将軍に対して無礼だなんていう者もいるが、俺はこの半将軍(細川政元)の言うとおりだと…

hiro75
3年前
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【歴史・時代小説】『本能寺燃ゆ』第二章「性愛の山」 18

「皇子(みこ)や公方だって、これがなくちゃ、位にも就けねじゃねぇか。貧乏公方がいい例えだ…

hiro75
3年前
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【歴史・時代小説】『本能寺燃ゆ』第二章「性愛の山」 17

 八郎は、背負い籠から小さな鍋や鼎を取り出し、干飯を粥にして啜った。  おえいと権太も、…

hiro75
3年前
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【歴史・時代小説】『本能寺燃ゆ』第二章「性愛の山」 16

 この四日に、十五代将軍足利義昭(あしかが・よしあき)が坐する六条の御所が、三好勢らに強…

hiro75
3年前
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