【歴史・時代小説】『本能寺燃ゆ』第二章「性愛の山」 21
最澄が遷化後、弟子たちによって比叡山の伽藍は整えられ、また高名な僧侶を幾多も輩出した。
平安の末から武士の時代である鎌倉の世にかけて、武士や庶民ならず、公家たちにも広がっていった宗派の開祖は、殆どが比叡山で学んでいる。
『南無阿弥陀仏』と唱えるだけで極楽に往けると説き、末法思想と相まって庶民や公家に広まった浄土宗の法然(ほうねん)しかり、その法然の弟子であり、現在一向宗として朝倉氏や織田氏などと対抗している浄土真宗開祖の親鸞(しんらん)、精神修養に重きをおき、武士に人