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HSK14 - Housemanを笑顔にする方法(2)
前回は、ハウスキーピングの仕事にはハウスマンという業務の人がいて、いつも不機嫌だったという話でした。
今回は、そんなハウスマンのおじさんをいかに機嫌良くさせることができるか、挑戦した話です。
働き始めてから少し経ち、周りが見えてくる頃になると、同じフロアでの掃除が増えてきました。
相変わらず週四日勤務のため自分のフロアはありませんでしたが、ハウスマンがやってくるのを一定の場所から見る機会が増えました。
はじめの頃は、ブスッとしたハウスマンが荷物を積んだトローリーと共にエレベーターから降りてきて、こちらをギロッとひとにらみ。
タオルなどを補充してくれるのですが、その時に
「もうちょっとタオルが必要なんだけど」
なんてことを言おうものなら、
「ほかのフロアだってあるんだ。ここだけにタオルをやるわけにはいかん!(怒)」
という事態に。
いつ見かけても機嫌が悪いし、私たちの行動も気に入らないみたい。
なんだかやりづらい。
そこで、ハウスマンに直接リクエストするのを、一旦控えてみることにしました。必要なものがあっても、リーダーが来た時に伝えればいいわけですから。
その代わりに、補充に来てくれた時にはいつも
「ありがとう!」
「待ってたよー」
「すごく助かったー」
などの感謝の言葉を、ちょっと大袈裟にひたすら投げかけるようにしてみました。
実際、来てくれたら助かるので本心です。
そのうちに、私のいるフロアに物を運ぶと感謝されるんだという認識になり、私をみて不機嫌になることが減って、逆にご機嫌な様子に変わりました。
普通に考えれば、そうですよね。
顔を合わせた時に、ポジティブなことを言ってくれる人には、ポジティブな感情が出てきます。
正直にいうと、私は別に実験をしていたわけではなくて、単純に
『私に不機嫌を振りまかないで!』
という真摯な願いから取った行動でした。
たとえ私に向けられた感情ではなくても、怒っている人、不機嫌な人がそばにいるのが、本当に苦痛なんです。
なので、彼の笑顔が増えるようになって、私も仕事がしやすくなりました。
私のいるフロアに運びかけの荷物を置きっぱなしにして、タバコを吸いに消えるようになったのも、まあご愛嬌。
私は、自分に不利なことをしない人と信頼されるようになったのかもしれないし、なめられていただけなのかもしれませんが、どちらでもいいです。
その後、別の人がハウスマンになりましたが、基本的に感謝する姿勢は続けていました。私自身もいい人になった気分になれるので、嬉しいですしね。
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