#2 失敗こそ原動力! “教育”の視点からウェルビーイングを追求する高校生・豊田英杜さん
《豊田さんのプロフィール》
名前:豊田 英杜
所属:N高等学校(1年生)
生年月日:2007年5月6日
座右の銘:常に楽しく
コメント:
今回ひまわりの種会議の運営メンバーの方とのご縁でインタビューをしていただきました。
「自分語り」は、若者に敬遠されている印象があります。ナルシストがするもの?お偉いさんがするもの?そんなことはないと思います。自分という存在を理解し、キャリアを考える上で非常に効果的な方法なのではないかと今回自分語りをして感じました。U18の自分語りムーブメントをひまわりの種会議が作っていくことを期待しています!ありがとうございました。
🌻
1.課外活動の原動力はどこから?
村田:豊田さんはけっこう、課外活動をアクティブにされてますよね。
豊田さん(以下敬称略):そうですね。
村田:改めてちょっと、どういう課外活動があるかっていうのを列挙していただけたらと思います。
豊田:そうですね、課外活動を始めたのが高1の4月で、そのあと色々とやってきて、自分でも覚えてないくらいなんですけど。
軸としてやっていたのは教育の部分だったり、地域活性化、政治、あとはマイナースポーツ、SDGsであったり。その中で何を目標としてやってきたかと言うと、中高生の「やりたいこと」のきっかけというか、ワクワクするな、みたいな日常を送れるようなきっかけ作りができたらと思っていて。
やっぱりこういう活動をしている人はなかなかいない、っていう現状が日本にはあって、みんな学校に行って勉強して……みたいな人が大多数。今は課外活動ってマイノリティだけど、そこをマジョリティにしていきたい。そういう考え方で、課外活動を行っているかんじです。
村田:なるほど、ありがとうございます。そういった、一般の高校生とは一線を画したような――特殊な、というか、素晴らしい活動をされていると思うんですけど。その原体験というか、パッションのもとになったものはどこにあるのか、っていうのをお伺いしたいです。
多分ですけど、これ、書いていただいた(事前アンケートの)、「自己啓発本に小4で出会う」ってこととかも関係しているかんじですか?
豊田:そうですね。もともと自分は、今みたいにこうやって話したり、ニコニコしてたりってことが苦手な子だったんですよ。小4くらいまでは、ずっと一人で本読んで、人と関わらないみたいな、気弱な感じで。その中でやっぱり、いじられたりもして落ち込むし、学校行きたくないな、みたいな時もあったんですね。でも、そのメンタリティじゃ駄目だな、って日頃から感じていて。
そこでデール・カーネーギーさんの『道は開ける』っていう本に出会ったんですけど、概要としては「人の目を気にしない」だったり、「もっとオープンマインドで生きていこう」といったようなことが書かれていて。その中で、(自分が)挑戦しても人はそんなに貶したりしてこないし、その挑戦に対して「なんだコイツ」みたいになることは意外と少ないんだなと感じて。挑戦することの大切さだったり、その挑戦を人が応援してくれることだったり、そういうことによって、人の力って偉大だな、というのと、やっぱり“行動”が大事なんだなって感じるようになって、今ここにいる、みたいな(笑)。
そういうマインドに出会ってから、毎日楽しいと感じられるようになったので、それはすごく良かったと思います。
村田:なるほど。
尾熊:そういえば(事前アンケートの)「価値観の変遷」ってところを細かく書いてくださっていたので、今の、『道は開ける』を読んで積極的になった、みたいなエピソードはありますか?
豊田:そうですね、もう一つの転換点としては、小6の学芸会で主役に立候補して。そんなこと全くそれまではやってこなかったし、(学級活動でも)「黒板消し係」とか、目立たなさそうなのばかりやってたんですけど(笑)。それでも、「挑戦してみよう」っていうマインドはだんだん出来てきていたので、実際に行動したきっかけがこの学芸会で。それからは、授業でも「はい!分かります!」みたいに手を挙げるようになったり。
あと、中2のとき生徒会長になって、人をまとめることであったり、後輩とのコミュニケーション、伝え方、っていうのを学んで。
週に一回、生徒会長が放送みたいなのをしてたんですけど、毎回(内容を)考えるのがだんだん面倒くさくなって(笑)、アドリブでやっていて。
村田:すごい。
豊田:その中で、言葉が出てくるようになったというか。話しながら文章をまとめる力、人前で堂々と話せる力であったり、あとは、たとえ間違ったとしても、意外と壇上で堂々としてるとバレなかったりするんだな、とか。
尾熊:なるほど。
村田:それは確かに(笑)。
2.教育への熱意
村田:教育系の問題に対する意識を持ってらっしゃるという風に認識しているんですけど、その問題意識は、どれくらいの頃から抱くようになったのかお聞きしたくて。
豊田:そうですね、教育に疑問を感じ始めたのは生徒会長になってからで。それまではサッカーとかしてのほほんと生きてて、教育のことなんて関係ない話だと思ってたんですけど。生徒会って現代の日本の政治システムにけっこう似通っていて、その中で政治とか教育に興味を持ち始めて。
その時に考えたのは、中学校の生徒会にはやっぱり、権力なんてないじゃないですか(笑)。
村田:確かに。
豊田:公立の中学校なんで、ほんとに先生の雑用みたいなことしかしない。果たしてこれって、教育的にどうなんだというか、生徒のためになっているのか?っていうのが疑問として出てきて。
その中で高校受験をすることになって、中3の時はずっと詰め込み学習みたいな感じで塾も行って。中3の10月くらいに、燃え尽き症候群みたいになっちゃって、そこからもう、なんもやる気出なくなって、3ヶ月くらい何もしてなかった時期があるんですけど。日本の受験システム、競争が激しいじゃないですか。そういったものによって心に異常をきたしたり、クラス内の雰囲気もどんよりとしたりとか。これって、ウェルビーイングになっていない、みんな幸せに向かっていないんじゃないか、って。
こういった過度な受験戦争であったり、全員に対して等しく教育をする――それはある意味、日本の教育のいい点でもあるんですけど、やっぱり個人にフォーカスしていないから、個性、特性に合った教育ができていないと思っていて。自分みたいにあんまり“受験勉強”が得意じゃないとか、例えば運動が得意な子、芸術が得意な子とか、それぞれ特性があるのに、全員に対して同じ義務教育を与えている。それって人の特性を伸ばすことにはならないし、なんなら全員を均そうとしてるから、日本で飛び抜けた人材が育ちにくい要因でもあるし、生きづらくなって中高生の自殺者が増えている要因にもなっているんじゃないかなと。
そういった中で、個人にフォーカスした学習であったり、過度な受験戦争を緩めていって、人それぞれに合った――例えば通信制高校やフリースクールっていう選択肢もあるし。色々な選択肢を持たせておくべきだと思うんですよね、高校受験とか中学受験の段階で。受験で進学校に行くっていう選択肢しかないのは問題だと感じているので、そこを改善したいと思っています。
村田:なるほど。そういった問題に対して実際、どのようにアプローチされているんですか?
豊田:そうですね、自分自身、N高に――いわゆる“普通の学校生活”からドロップアウトしたような人たちの集まるところに通っていて、N高がどういうところなのかをSNSで伝えていったり。他にも、いくつか塾のインターンをしていて、一つはネイチャースクールと呼ばれるものなんですけど、自然に触れて自然から発見する教育を設計していたり。U18の人財育成プログラム* にも携わっていて、高校のうちに起業するっていう選択肢を増やしていくということであったり。
村田:本当に多様な活動をされていますね。
豊田:あと最近で言うと、こども大綱っていうのがあって、中間報告会まで行って。ちょうど昨日こども家庭庁のヒアリング会にも出てきて、そういった場でも、「選択肢を増やすこと」は重要だと訴えたりといった活動をしています。
村田:なるほど。多くの中高生に、自分に合った教育を受ける権利が与えられていないっていう現状があって、それを直すために活動されているということなんですけど、ご自身はどうやって自分に合ったそのような活動に巡り会えたのか、というような方法論を伺いたいです。
豊田:そうですね、やっぱり自分はわりと、挑戦できる人間ではあるので。9月まで通っていた芝国際高校は新設校で、これも、実際どうなのかは分からないけど挑戦してみようと思って入ったんですね。それで、あ、なんかちょっと違うな、自分に合ってないって思って、N高に行って、みたいな(笑)。
自分はそういう、当たって砕けて、それで自分に合ったところを探していくみたいなことができるんですけど。でも、そういうことをできる人ってそんなに多くないというか。
尾熊:探索型、みたいな感じですかね。
豊田:うーん、そうですね、自分は、自分のことをどうでもいい……どうでもよくはないか(笑)、まあそんな感じなので。でも、普通に学校生活を送っていきたいっていう人の方が多いと思うので、そういう人たちが自分から動かなくても自分に合った教育が手に入るようなシステムになったらいいな、というように思っていて。
公教育を変えるには30年くらい必要なので、そういった意味で、民間の短期学習の会社に入ったり、塾に話を聞いたりといった形で、どうやったら(理想の教育を)実現できるのかを模索している、というのが現状ですね。
村田:なるほど、ありがとうございます。
*U18 DRAFT 7期生募集中
3.幸せとは
村田:多分、教育に関係した話でもあると思うんですけど、(事前アンケートの)「〇〇とは」ってところに、幸せとはなにか、と入力してくださっていたので、そこについて伺いたいです。
豊田:そうですね、最近、ウェルビーイングって言葉がだんだん世間に浸透してきていると思うんですね。ウェルビーイングというのは、全ての要素において幸せであるという状況を手に入れるために、教育課程もそうだし、仕事をどうするのか、とか自分の人生をどうしていくのかによって決まっていくので。
その中で、ウェルビーイングであるために必要な要素として、いろんな環境に入る(ことが挙げられる)。例えばAの環境でいじめられて、でもBの環境とCの環境があったら、そこに逃げればいいというか、移動すればいい。そうしたら自分のウェルビーイングが保たれるよね、って。一つの環境にこだわっているからこそ、そこでなにか問題が起こったらもう、サンドバッグにされるみたいなかんじになっちゃうので(笑)。自分の場合は学校、課外活動、会社、あとは家庭で、4つくらいの環境があって、その中でも学生団体に何個も入ってるので、それぞれの環境がある、と。そうやっていろんな環境があるということを中高生に見せてあげる、ということを目標に活動しているという感じですね。
村田:なるほど。では、この記事、中高生が見ているかもしれないので、こういうの(イベント等)に来てください、というのがあれば、いくつかお願いします。宣伝というか(笑)。
尾熊:宣伝とか、あとメッセージとか、そんなかんじで(笑)。
豊田:あぁ〜なるほど。そうですね、課外活動と言っても色々な種類があって、自分みたいに起業を目指しての課外活動もあるし、あとはSDGs、ボランティア活動などもあるし。スポーツでクラブチームに入るというのも課外活動だし。
でも何かしら、学校以外の環境にチャレンジしてみてほしいな、と思います。学校って、一つの環境でしかないんだよ、って。絶対、“全て”じゃないから、学校が。人生において。あとは学歴で人を判断するとか最近よくあるけど、物差しは、いっぱい持っておくこと。自分が活躍できる場所、自分の特性が当てはまる場所って絶対にあるから、それをやっぱり中高生のうちに見つけておこう、というのが言いたいですね。
村田:ありがとうございます。では、豊田さんの思い描いていらっしゃる、「理想の教育」を簡潔にお願いできますか。
豊田:理想の教育…… やっぱり、ウェルビーイングにフォーカスしてはいるので、一人一人に沿った最適解みたいなものを、その人が見つけられるような教育になったらいいんじゃないかなと思います。
4.マイナースポーツについて
村田:では、ここまで教育についてフォーカスしてお伺いしてきたんですけど、他にも色々とされていることがあると思うので。あの、特技のところにフットサルとあるんですけど、こちらは?
豊田:そうですね、自分は小1の頃から競技フットサルをしてます。フットサルって言うと、個サルとか、社会人が会社終わった後にやる、みたいなイメージが世間にはあって。個サルの競技人口とか見ると300万人くらいいるんですけど、競技フットサルとなると本当に少なくなって、1万人いるかどうか、みたいな。
Fリーグっていうのが2007年にできたんですけど。最近Bリーグとか、すごい勢いじゃないですか。FリーグとBリーグって、元々は同じくらいの盛り上がりだったのに、最近はちょっとFリーグは翳りが見えてきて、1試合の観客も500人いるかいないかくらいの現状で。
そういうマイナースポーツやよく知らないようなスポーツ――最近だとちょっと有名になってきたかな、モルックとかカバディとか、そういうあまり有名ではないスポーツを、幼少期の子どもに届けたいと思っているんですよ。なんでかと言うと、メジャースポーツって競争が激しいじゃないですか。けど親は子供に野球とかサッカーをやらせて、それでやっぱり子どもは辛くなっちゃうというか。そういう子たちに、競争率の低いマイナースポーツを提案することによって選択肢を広げる。そうしたらマイナースポーツはやっぱり、競技人口が少ないから、(比較的)楽に全国優勝できたり、活躍できる。全国に8チームしかなくて、いきなり全国大会、みたいな(笑)。
そういうのが自己肯定感を高めると思っていて。幼少期に、メジャースポーツの激しい競技の中で生きるって、けっこうきついことだと思うんですよ。合う子は合うけど、合わない子もけっこういると思っていて、そういう子たちの受け皿に、マイナースポーツがなれたらな、と。でもみんな(マイナースポーツを)知らないじゃないですか。だからそういうのを幼少期のうちに伝える、というイベントを今、企画していて。
村田:おっ、そうなんですか。
豊田:それができたら、競争の弊害で精神的に苦しくなってしまう人たちを救えるんじゃないか、と思っています。
村田:なるほど。ありがとうございます。
5.生徒会活動、SDGsへの取り組み
村田:生徒会活動も、力を入れていることに挙げられていたと思うんですけど……生徒会大賞* でしたっけ。
豊田:そうですね。一応、奨励賞を、中学校時代の活動でいただいて。
村田:そこでは、どういった活動を?
豊田:自分は主に、生徒会のブラックボックス化の解決というのを一つの目標として中学校時代に行っていて。生徒会って、何をしているかわからない、あの人たち生徒会室に籠って何してるんだろう、みたいな(笑)。そこをオープンにしていくことで、生徒が生徒会に関わりやすくなって、協力してくれることもあるかもしれない。
一個やったのは、マスコットキャラクターを作って親しみやすくするとか。あとは、議事録を毎週公開するようにしたことで、「今こんなことやってるんだ」って言われることも多くなったし、「それは違うんじゃないか」と指摘されることもあったので、生徒会がオープンになったことによって議論が活発化したんじゃないかと。
高校に入ってからも生徒会に入って、主に、全国的な生徒会組織の構築みたいなことをやっていて。生徒会って、横のつながりがけっこう薄いという現状があって、生徒会同士では、近くの学校の生徒会との交流とかは少しあるけど、やっぱり全国単位での交流というのはないんですね。でも生徒会のやることって、ある程度は全国で統一すべきというか。
例えば東京の私立高校とかだと予算もたくさんあって、生徒会が仕切れて、ということもある。でも地方の公立高校とかだと、本当に雑用だけ、みたいなこともあって。そこで生徒会がある程度の権力を持って活動するには、全国的にはこういう事例もあるってことを知ってもらうのも大事だな、と。
村田:なるほど。先ほどSDGsにも言及されていたので、考えをお聞きしたいです。
豊田:そうですね、どちらかというと細かい目標にフォーカスしているというより、言葉自体の意味合いをちゃんと考えていこう、というか。SDGsバッジ付けたりして、ちゃんと貢献してますよ、ってアピールするところも多いと思うんですけど、それってただの流行りでしかなくて。本質的に理解せずに、とりあえずバッジ付けとくか、みたいな(笑)。確かにそれで企業価値も高まるけど、それって無意味だなと感じていて。多くの人に知ってもらうのも大事だけど、本質的に理解せずに行動するのは違う。
なので、SDGsって本当はこういうものなんだということを伝えるために、「50cm.」という学生団体を運営していて。SDGsにこういう事例がある、とか、本当にこの会社はSDGsに取り組んでいるのか? とか、そういったことを発信しています。ちょうどBS朝日さんで取り上げていただいたり*。
村田:すごいですね。
*¹ YouTubeで公開されています
*²
6.怒られることは、死ぬよりも嫌
村田:様々な活動についてお話ししていただいたので、内面に踏み込んだ話も聞きたいです。あの、「最近こわかったこと」が終電を逃しそうになったこと、ということですが、なんかもうすこし怖いことってないのかなって(笑)。僕は多分もうちょっと怖いことあるので、(豊田さんは)怖いものなしの人生なのか、なんて思って。
豊田:あー(笑)。なんか思いつかなかったというか。
尾熊:じゃあ「最近」じゃなくて、人生で怖かったこと、とかはありますか?
豊田:うーん、人間、怖かったことって記憶から消すんでね……(笑)。単に覚えてないだけって説もあるんですけど、やっぱりこのマインドになってから、別にいつ死んでもいいなって思うようになって。明日死んでも納得できるし、それはそれで運命だよな、と思って生きてて。
命を失うよりも、親とか先生とか上司とかに叱られるのが怖いです(笑)。
一同:(笑)
豊田:怒られるの嫌いなんで。みんなそうだとは思うんですけど。
村田:そうですね(笑)。
豊田:全力で、怒られることから逃げている人生なので。終電のことも、電車逃して親に怒られるっていうのがこわくて(笑)。
村田:ということは、自己肯定感はけっこう高め、と?
豊田:あー、そうですね。そういう本ばっか読んでいるんで。
村田:おおー。『道は開ける』以外にも、おすすめの本とかありますか?
豊田:『嫌われる勇気』とか。あと、本以外でも、メンタルコーチみたいな人の話をYouTubeで聞くとか。やっぱり自己肯定感とか、テストステロン高めた方がいいよな、とか。まあ、自己肯定感はめちゃくちゃ高いですね(笑)。
でも、失敗はしまくってるんですよ。だいたいなんか負けてきてるというか、あんまり勝ったことのない人生というか。でも、それも含めて自分が好きなんで。例えば1500メートル走で負けたとしても、走ったこと自体に意味があるというか、自分を尊敬できるというか。
村田:おおー。
尾熊:失敗してもそれを深刻に捉えすぎなければ、挫折にはならないと思うので、”挫折”で言うともしかして、ないですか?
豊田:まあ今のメンタル状況では、ないと言えるけど、燃え尽き症候群になったときとかは挫折の気持ちでいっぱいでした。本当に。俺なにやってんだろう、みたいな毎日。でも今は、その経験も含めて、良かったなと思っているので。それが今の課外活動とかの原動力になっているっていうのがあるので、逆にプラスに捉えられているというか。メンタル状況次第です。
村田:じゃあメンタルつながりで、今は落ち込むこととかも少ないかもしれないんですけど、昔メンタル壊れたときにどうやって回復してたか、とかありますか。
豊田:実は今でもメンタルの波はちょっとあって。自分を客観的に見て、「あー今メンタル落ち込んでる時期だ」みたいに。そこで、「自分はなんてダメな人間なんだ」みたいにぐるぐる思考しちゃうと駄目なんですよ。そういうときは何も考えない方がよくて、とにかく動き続けることが解決策かなと思っていて。悩んだときはとりあえず、仕事を入れまくるようにしてます。
村田:すごいですね、そのマインドセットほしいな。
7.人生で一番の失敗は?
村田:じゃあ次の質問なんですけど、これまで生きてきて、一番大きな失敗ってありますか。あと、失敗があったとしたら、そこから学んだこととか。
豊田:そうですねー。主観的には、さっき言ったように失敗はないんですけど、客観的にはこれ失敗したんだろうな、ってことはやっぱり高校受験で。もともと進学校を目指してて、進学塾に通ってたんですね。毎日3時間やらせるぜ!みたいな、そのうえで過去問10年分、1日でやってこい!みたいな(笑)。
村田:ええー、それはすごいですね、やばいっすね。
豊田:進学実績はまあ、出してるところで。偏差値70オーバーぐらいの集団で。自分は、学校では勉強できた方で、学年で一番とかだったんですけど、そこにぶち込まれて(笑)。塾内順位も最下位とかだし、自信も失って、勉強してるのに偏差値もどんどん下がっていくみたいな。その中で生徒会とか文化祭の実行委員とか色々やってて、マルチタスクになっていて、それで燃え尽きちゃって。毎日、胃薬飲みながら勉強してて。
村田:中学生でそれはやばいですね……
豊田:死相浮かべてたらしくて(笑)、隣の席の子に受験終わった後に言われたんですけど。自分が自分じゃない、みたいな。何もやりたくない、虚無感みたいなものに襲われていて。どうでもよくなって、もう塾でもずっとスマホ見て、帰り道も自転車で20分くらいのところを1時間とかかけて人生について考えながら帰ったり。
それって客観的に見たら、失敗じゃないですか。偏差値も下がって、病んで。でもそこから立ち直れたのってやっぱり、課外活動のおかげで環境が変わったっていうのが大きくて。生徒会活動とかを続けたおかげで、3ヶ月くらいでその状況を脱することができたので。
そうやって”受験うつ”とかになっちゃう人もけっこういると思ったので。受験生のメンタルケアだったり、過度な受験戦争をやめよう、ということだったり、受験期に入る前の中2とかの生徒に「受験期にはこういう心理状況になることがあるから気を付けよう」とアドバイスしたり、塾の先生方に受験生のメンタルに気を遣うよう呼び掛けたりといった学生団体を作りたいと思っていて、設立段階です。
村田:素晴らしいですね、ありがとうございます。
8.将来の展望
村田:将来の展望みたいなものを伺いたいです。目標は起業、ということなんですけど、今取り組んでらっしゃる色々な活動を包括的にカバーする事業を興すのか、その中で一点特化して事業を行っていくのか、など。
豊田:そこは自分でもすごく迷っていて、明確にしたいと思って日々過ごしているんですが、やっぱりビジネスとなるとどうしても収益が必要になってきて。理想を追い求めたうえでの収益化、っていうのが一番望ましいことではあるんですけど、現実はそうもいかないところもある。でも、自分がそのときにやりたいことをできる環境がほしいと思っていて。そのためにはまず、色々な業界を知ることだったり、みんなを巻き込む力をもつことだったりが必要になる。
どういった形で起業するかということで、今やりたいと思っているのはやっぱり、中高生にきっかけを与えたいというのが一番。日本で一番、中高生にきっかけを与えられるような会社を作りたいと思っているので、そのためにどうすればいいのかを今、模索しています。
村田:なるほど、ありがとうございました。もうお話が充実しすぎていて、記事2、3本書けそうな勢いです(笑)。
尾熊:話題が豊富すぎて、どこを中心に書いたらいいのか(笑)。
🌻
《ライターあとがき:尾熊》
ひまわりの種会議メンバー以外の方に対するインタビューは、今回が初めてでした。至らない点も多くあり反省しておりますが、豊田さんのトーク力とフレンドリーさのおかげで円滑にインタビューを終えることができました。
メモなど何もない状態にも関わらず本当にスラスラと、しかも分かりやすく質問に答えてくださり、1時間の会話とは思えないほどの情報を得られました。まさにこれが生徒会長としての経験によって磨かれたスキルなのだろう、と改めて彼のすごさを実感しています。
濃密な時間を過ごすことができ、インタビューの醍醐味を味わったと言っても過言ではありません。ご参加くださりありがとうございました!
今後も様々な自分語りをお届けしていく予定です。
主に高校生を対象として、ひまわりの種会議はインタビューを行います。興味のある方は是非、以下のフォームよりお申し込みください。(メールアドレスは収集されません。)
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