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枯 れ 花

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悲しみは 涙より多く
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#言葉

未熟な僕が描く点線

未熟な僕が描く点線

最終列車が大深夜まで延びて
今日と昨日の境は あざといから
僕と 僕たちは
知らなければならない事が たいへん増えた

それは だけど
とても幸せなことかも知れない

破壊をもって
持ち切れない様な 嘘と嘘と嘘
今更と言うのも 今更だ

未熟な僕が描く点線

未熟な僕が描く点線

小学生の頃は
テレビゲームを持っていないことが
辛くて 辛かった

今 持っていないことが
辛くて辛い 色んなモノも

あヽガキだったなぁ…  と
思える日も来るのだろう

なるべく早く頼むぜ 神様 仏様

未熟な僕が描く点線

未熟な僕が描く点線

全てのことの断片を記録することが
結局は人生を考える事なんだ
と、言っていた彼は鯨に食われた

僕は葬儀で 鯱の方が良かっただろうなぁ
と、考えていた

それで僕は棺に二十三冊の暦を投げ込んだ

また会おう 賢志くん

鯨の胃袋の中の雑然とした
全てが解決した端で

未熟な僕が描く点線

未熟な僕が描く点線

あの子の肩幅は
僕の腕の中にすっぽり収まっていたから
世界はパズルみたいだねぇ…    とか

あぁ 寝物語の下らなさ
もう今 あの子は去ったから

僕は公衆トイレの壁に落書かれた電話番号の
6を8に書き換えるくらいしか
世界に抗う術がない

未熟な僕が描く点線

未熟な僕が描く点線

ただ君を愛したと云う
素朴で綺麗な昨日を反芻する毎

けばけばしく飾り立て
訳のわからない物語へと設えることは

君に失礼で
僕に恥で
なに一つの糧にも成らないのだから

綺麗に置いておこう
それの似合う
執着のない景色の端に

未熟な僕が描く点線

未熟な僕が描く点線

あてなく歩く道に雨

僕は屋根の軒を伝い
跳ねる飛沫を嫌い
ぬかるみを避け
傘の縁の交差する人通りを逃げる

けれど今日が晴れた日だったなら
それらに導かれる道もなく
酷く退屈な日だったと思うが

それを運命とは呼ばない
かならず運命とは呼ばない

未熟な僕が描く点線

未熟な僕が描く点線

夢は いつだって痛覚を欠いて
それが 良くも悪くも 堪らない

さよなら
さよなら
さよなら

こんな街の こんな部屋で
窓と風景画の どちらを飾ろうか

僕は もう たくさんのことを知ったから

それは例えば
空から降る雨は 誰の涙でもないこととか

未熟な僕が描く点線

未熟な僕が描く点線

暗いところへ行きましょう

手を 手をしっかり結んで
暗いところへ行きましょう

月も 星も 電飾も 他も
身体の輪郭も無くなれば
あなたの境も知れないでしょう

暗いところへ行きましょう
手を 手をしっかり結んで
それで歌いましょう

泥濘の 泥濘の愛の唄

未熟な僕が描く点線

未熟な僕が描く点線

翼なんて要らない

フウセンガムで
なぁ 君 空 飛べないのかよ

空よりは低く
君の背丈よりは高く

成長期は とうに止んで
世界は
世界は
やっぱり狭くない

翼なんて要らない

ごきげんな様々で
なぁ 君
なぁ 君 空 飛べないのかよ

未熟な僕が描く点線

未熟な僕が描く点線

亡くなると人は星になるのです
と 母さんが言った

では 父さんも あの無数の星々の1つなんですか
と 尋ねると

兄さんが出て来て
くしゃくしゃな表情で教えてくれた

君の父さんは地球になったよ

その夜 僕は庭で眠った
決して心地よくはないが
何か満足する具合いが僕を変えてゆく

変えてゆく

変えてゆく

未熟な僕が描く点線

未熟な僕が描く点線

あの ずっと ずっと昔
君と僕とで決めた 待ち合わせの場所は
どこだっただろうか…

ここだっただろうか…

毎日 毎日 思い出そうと
色んな場所を思い浮かべて

あぁ ここは どこだっただろうか
昨日 思い浮かべただけの場所だっただろうか
それとも 記憶だけの場所だっただろうか
秋の約束の場所だっただろか

浸染む君の輪郭に線を引きなおし
あぁ今日なんて
秋が終わったと言ってよくないか