何をしたか忘れそうな時間に。かくれんぼを見つけるように。

今日は、加湿器と再会した日。

何をして過ごしたかなんて
忘れてしまうような一日だって

こうやって名前を付けてみると
宝物のように思えてきます。

乾燥しない季節は
仄暗いクローゼットで
ひっそりと眠っている。

かくれんぼを探すように
クローゼットを開けると

子猫のように丸まった姿の
加湿器が飛び込んできます。

久しぶりの再会と
ふっくらとしたフォルムに
どこか懐かしい気持ちでいっぱい。

「また会えたね」

手のひらから伝わる
少し温かいプラスチックの感触。

少しお手入れをして
乳白色のタンクに水を注いでいくと
命を吹き込むような感覚に包まれます。

準備が全部終わると、ポコポコと
サイフォンコーヒーみたいな音がします。

なんだか心地よくて
ずっと聴いていたいな。

子供に戻ったように
少しワクワクしながら
加湿器をオンにした瞬間。

白い蒸気がふわふわっと広がって
しっとりと潤う。

エアコン風にゆらめく、霧の魔法は
動きのない部屋に躍動を与えてくれて。

ふわふわのもくもくを眺めていると
不思議と心が安いでいく。

ライトをつけると水に光が灯って
幻想的な雰囲気に包まれます。

照明を落として間接照明に変えると
なんだか北欧ヒュッゲの気分です。

日常かくれんぼ。

慌ただしい毎日を送るなかで
小さな幸せを見つけられると
それだけで私は満たされた
気持ちになるのです。

きっと数日もすると、水を入れたり
タンクを洗ったり少し大変に感じる
瞬間もあると思います。

でも、楽しかった瞬間を残しておいたら
きっと今日の私も明日の私も大丈夫です。

最後までお読みいただき
ありがとうございます。

あなたの今日も明日も
素晴らしいものでありますように。

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