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エッセイ

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くだらない思い出話とか。
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#ショートショートnote

ショートショート「タイムスリップコップ」

表示された数値を見て、フリーズしてしまった。これが誤りでなければ、世紀の大発明に成功した…

hige_22
2年前
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ショートショート「終活IoT」

締め切ったカーテンの奥に、朝の気配を感じて目が覚めた。 土曜日の朝。脳の回転はローギアの…

hige_22
2年前
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ショートショート「君に贈るランキング」

誰でも大事なものをいくつかもっている。 それらは本来順位付けするような代物ではないにしろ…

hige_22
2年前
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ショートショート「1分しまうま」

「知ってるの! …やだ、ごめんなさい」 嬉しさの余りに初対面の相手に敬語を忘れてしまった…

hige_22
2年前
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【短編】「結婚式」「ゾンビ」

成り行きで逃げ込んだ結婚式場の披露宴会場には、残念ながら神のご加護はなかったようだ。ゾン…

hige_22
2年前
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【短編】怪物

まるで駄目な一日だった。 何をすべきか理解しているのに動くことができず、仕事は手付かずの…

hige_22
2年前
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【短編】部屋の星

臆病な癖に電気を消さないと眠れない私には、目を閉じる前に必ず行う習慣がある。 テレビ、エアコン、冷蔵庫、タコ足配線、赤黄緑さまざまな小さな光の数えるのだ。光の数がいつもと変わらない状態であることを確認して、ほんの少しの安心を得ておっかなびっくり目を瞑る。 機械的な光であることを理解していても、不安になると人魂かあるいは煌く瞳のように思えてしまうことがある。なので事前に数えて、再認識させる。あれは人為的な光であり、私を脅かすものはないと。 この習慣は寝付けずに目を開いてし

【短編】飛び出した夜

考えるよりも先に体が動いたのは、久しぶりのことだった。その為だろうか、私はやけに興奮して…

hige_22
2年前
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【短編】「神様」「時計」

この村には神がいる。 村が設立された遥か昔からこの地に存在したそうだ。この土地は土が豊か…

hige_22
2年前
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【短編】確率

親指でコインを弾く。 クルクルと宙を舞うコインを、無表情で私は見つめる。コインは受け止め…

hige_22
2年前
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【短編】着ぐるみとハチ

着ぐるみを着る。 着る…というよりは飲み込まれていく、といった方がイメージしやすいだろう…

hige_22
2年前
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【短編】樹形図

 私以外の人間はすべてロボットなんじゃないかと、疑っている。  この疑問を抱いたのは、つ…

hige_22
2年前
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【短編】車内の光

 ベランダで煙草を吸いながら、1日を振り返る。今日も忙しい1日だった、お客様は神様だなんて…

hige_22
2年前
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【短編】無機質な浴室

 お湯の張っていない浴槽の中で、何をする訳でもぼーっと過ごす。この家は狭く息苦しく、タイル張りの冷ややかなこの空間は私には居心地が良かった。小窓から外の様子を見ると、夕焼けは夜の闇に飲まれようとしていた。もうすぐここも安息の地ではなくなる。  そろそろ準備をしないといけない。この前はのんびりしすぎて、お父さんの入浴の時間に間に合わず酷い目にあった。思い浮かべると、体がズキリと痛んだ。  この家の都合に関わらず、私は浴室が好きだった。規則的に並んだタイル、響く水滴の落ちる音