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「人間拡張」って?

はじめに

好きな本の一つに「拡張の世紀」という本があります。

この本には非常に多くの学びがあるので、是非ご一読をお勧めします。個人的には

  • 計算機が小さくなるというカーツワイルの言葉 (p144)

  • 2030年、1人当たりのセンサーは150個に (p150)

  • 世界初の人間拡張はメガネ。13世紀のイタリアで、おそらく僧と学者が最初に使いだした (p320)

  • 初音ミクは人間を越える偉大なポップスター (p370)

などなど、たくさんあるのですが

さすがミクさんやで (拡張の世紀 ― テクノロジーによる破壊と創造;
 ブレット キング(著), 上野 博(訳): 東洋経済新報社, 2018. より引用)

今回は「人間拡張」という言葉について、ここで改めて確認していきましょう。

総務省の「情報通信白書」

人間拡張というフレーズは、とても範囲が広い概念です。こういう時に私がよくやるのは

国はどう定義しているのか?を確認する

というものです。そうすると、よく整理されたページが見つかりました。
それは、総務省の情報通信白書です。

情報通信白書とは

総務省が情報通信の分野における産業の現況や政策の動向などを取りまとめて年次で刊行している文書

https://www.weblio.jp/content/情報通信白書

のことです。

余談ですが、政府系のレポートは仕事で引用する際にはとても役立ちます。実際はコンサルタントが書いていることも多く、色々な情報がよく整理されております。また、当たり前ですが、

これらの調査・整理のための元手は税金

ですから、引用することをためらわなくてよい点もおススメです。どんどん活用しましょう!

4つの方向性

さて、本題の人間拡張についてですが、まず以下の記事をご覧ください。

鉄道や自動車は、人々をより遠くへと行くことを可能にしたことで、人間の器官の一つである足を「拡張」したといえる。このように、これまで登場してきた技術は、人間のあらゆる能力を「拡張」させることにより、人々が「できること」を強化していったといえる。
ICTについても、身体・存在・感覚・認知の点で、人間の能力を更に「拡張」することが期待される。

総務省|令和元年版 情報通信白書|技術は人間を「拡張」することで「できること」を強化
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r01/html/nd124310.html

人間拡張については、様々な整理の仕方があると思いますが、ここでは大きく4つの方向性で整理されています。

  • 人間の身体能力を高めるための「身体の拡張」

  • 遠隔での共同作業を可能にする「存在の拡張」

  • 見る・聞く・触れる…など五感を拡張する「感覚の拡張」

  • 理解・習得のプロセスそのものを拡張する「認知の拡張」

人間拡張は4つの方向性がある #一枚絵図

おわりに ~ 人間拡張, メタバース, デジタルツイン

ちなみに、この拡張による影響ですが、

これにより、人々の生活や働き方にも大きな変革をもたらすと考えられる。「拡張の世紀」の著者であるブレット・キング(2018)も、「テクノロジーは、私たちの生活のあらゆる面を拡張する。健康状態をモニターするデバイスから商品やサービス購入の支払いの方法、余暇の過ごし方、移動の方法、アドバイスの見つけ方、交流の方法、仕事の仕方まで、「拡張時代」にはすべてが対象となる」と述べている。

総務省|令和元年版 情報通信白書|技術は人間を「拡張」することで「できること」を強化https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r01/html/nd124310.html

とあり、すなわち仕事に限らず、普段の生活に至るまで、あらゆる方面に影響を及ぼすと考えられています。特に、

  • 身体や感覚の拡張が、主に実空間上で物理的に拡張されたヒトに行われるのに対し、

  • 存在や認知の拡張は、仮想空間上でバーチャルに拡張されたヒトに対して行われる

という点にも注目すると、人間拡張が実現する空間というのは、リアルの三次元空間に限らず、仮想空間(メタバース)も含めて考える必要があると言えます。

また、仮想空間上の、身体も精神も複製されたヒトを「ヒューマンデジタルツイン」と呼んだりもします。

したがって、本来

人間拡張は、メタバースやデジタルツインは非常に関連性が高いテーマ

であり、これらの概念も正しく押さえておく必要があります。(バズワードではあるのですが)

こちらのnoteではデジタル化するセカイというテーマで人間拡張・メタバースなどの記事を書いております。個別のご相談はビザスクなどでも承りますのでお気軽にお問い合わせください。

今後はこの辺もnoteに投稿していこうと思っています。

(つづく)

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