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「給料に差があるのは、あなたの頑張りが足りないわけでも、能力に差があるわけでもない」という話

はじめに

最近は、どこもかしこも転職のバナーであふれています。その中には「自分の頑張りで給料を上げよう!」だの「給料を上げるためには、自分の能力を常に磨こう」だの、あなたに頑張りを強いるフレーズが書かれていたりもします。しかし、

実はそうとも限らない

ということについて書いていきます。

給与テーブル(賃金テーブル)

給与テーブルというものがあります。賃金テーブルなどと呼ばれることもありますが、要するにその会社における給与体系です。実は、あなたの給与は

個人の努力よりも、その会社の給与テーブルの方がずっと影響大きい

のですが、ほとんどの人がそれを知らないし、会社もそれを教えてはくれません。

賃金の上がり方を示す「報酬カーブ」には、PayLater型とPayNow型がある。戦後に成長を遂げた古い日本企業であればPayLater(後払い)型だし、外資系企業や、昭和を引きずっていない新興のIT企業、コンサル会社などは「PayNow」型である。
(中略)
PayLater型で40歳まで差がつかないパターンが成立するのは、先頭集団にいる人たちが、「今は会社に貯金をしているのだ、後から回収できるのだ」という暗黙の了解があるからだ。

三菱商事「出世組」のスゴい賃金カーブとは?【給与テーブルを公開】
https://diamond.jp/articles/-/313592?

以下は、三菱商事の給与テーブルだそうです。すごい額ですね。

https://diamond.jp/articles/-/313592?page=3 より

良いイスに座る

この給与テーブルを見ると、給料を上げるためには「今の会社で自分の能力を常に磨く」というよりも、「ここに行った方が上がるんじゃないか」と考えたのではないでしょうか?

実はそうなのです。

給与を上げるにはこのような高いテーブルを持つ企業に移るのが実は早いのです。

カンタンに年収を上げるには、良いイスに座ることだ。つまりどこ(業界)で働くか。働く会社選び・業界選びであなたの年収が決まる。

年収が決まる要素は「どこ」にいるか。「給料=あなたの能力」ではない
https://diamond.jp/articles/-/319659
https://diamond.jp/articles/-/319659 より

引用元の画像にあるように、総合商社は平均年収が高いわけですが、つまり非常に高い給与テーブルを持っているということです。逆にこの図で下位の業界は給与テーブルも安いものになっていると考えられるでしょう。

給与テーブルの乗り換えでレベルアップ?

ところで、あなたの周りにコンサル出身者はいらっしゃらないでしょうか? 給与を直接聞くと生々しいですが、

転職を考えているならせっかくだから聞いて

みましょう。きっと自社プロパーの同年代と比較すると、大きく金額が異なるのではないかと思われます。これは「給与テーブルから外れた特別ルール」が適用されている可能性があります。

企業は報酬体系を刷新、転職で年収アップする人が増加
まず業界を問わない傾向として、報酬体系を見直す企業が増えてきました。外部労働市場の視点を加味した年収を提示可能にし、人材獲得競争において他社に後れを取らないようにするためです。特に重要なポジションに対しては、従来とは異なる報酬体系を適用する企業が増加しています。
リクルートが実施した調査「2022年7―9月期 転職時の賃金変動状況」では、リクルートエージェントを利用して転職した人の中で「前職と比べ賃金が1割以上増加した」ケースは33.4%と過去最高値を更新し(2002年4~6月期以降)ました。ITエンジニア職ではさらに数が多く、38.7%の転職者が1割以上の賃金アップを実現しています。

活況続く2023年のエンジニア転職市場、企業による個人のキャリア支援も重要に
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00577/012000050/?

私の身の回りだと、元コンサル出身者(20代)が製造業に転職してきた方が、プロパー5年目の社員相当から見ておよそ倍の給与をもらっている(らしい)ということを知りました…。これはまさに「異なる報酬体系」の適用例だと思います。

ただ、最近はコンサル以外にも、異なる給与テーブルの適用が始まっています。

DX技術者

です。場合によっては、新卒から別給与体系が提示されている場合すらあります。

これは、宣伝効果を狙ってという点もあるでしょうが、実際にDX技術者にとっては給与テーブル乗り換えの大きなチャンスであることは事実です。まさに

給与の「レベル(水準)」自体がアップ

する行動であると言えるでしょう。

おわりに ~ 慎重かつ大胆に

残念ながら、給与テーブルそのものを公開している企業はほとんどありません。また、「総額」は高くても、その会社の「生産性」は見えないので、見かけの給与は高くても、残業が多かったり、いわゆる無駄な会議・無駄な資料の作成などで、働く時間が長くなるといくら総額が高くても「タイパ(時給)」としては悪くなるなんてことがあるかもしれません。

当然、転職には大きなリスクも伴いますし、必ず転職をしなければならないわけではありません。

日本企業はまだまだ生え抜きの方が発言力が高い傾向がある

のもまた事実です。その職場の居心地がよく、必ずしも給与に不満がないのであれば、無理に乗り換え戦略を考える必要がありません。

ですが、やはり社会人たるもの、一度真剣に給与のことを分析すべきだと思うのです。そうやって、お金のことをちゃんと考えることで「なんとなく給与に不満がある」という状態からは脱することができるし、また人生の選択肢が増えると思うのです。それは結果的に、自身の幸せに繋がるでしょう。

もちろん、雇用の流動性が高まっている今なら、よい機会があれば、それに合わせて

慎重かつ大胆に

動くこともまた必要なのかもしれませんね。

給与に差があるのは「あなたが頑張ってないから」ではないですよ #一枚絵図

(おわり)

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