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「強いSEO」書籍レビュー。SEOの実践力を身につけるのに最適な1冊

実践的SEOを学べるおすすめの本です

本記事では"SEOを知っている(SEO初学者)からSEOができる(SEO実践者)"となるための実践に活かせるSEOを学べる書籍『強いSEO』を紹介させていただきます。
→「SEO初級者」を脱却し、SEO中級者(実践者)を目指す私に、ちょうどいい本でした。

書籍の情報

■書籍名
『強いSEO “SEOおたく”が1000のサイトを検証してわかった成果を上げるルール』
著者
株式会社LANY 代表取締役 竹内渓太
(LANYは主としてSEOを強みとするデジタルマーケケティング支援のコンサルティングを行っています。)
■出版者
エムディエヌコーポレーション


どんな人が読むとよいか

SEO(Search Engine Optimization)検索エンジン最適化。インターネットで調べものをする時にはSNSで調べる人も増えましたが、Google検索が8割近くと主流であると言えます。(LINEリサーチ/2023年11月

特に企業のデジタルマーケティング担当者が取り組む、コーポレートサイト、オウンドメディア、BtoBマーケティング等の領域では必修と言える分野です。

しかし、私自身もそうでしたが「自社のホームページを色々な人に見てもらいたい」→「SEO対策が有効らしいよ」との流れの中で、

そもそも、「SEOって何?」というところから始まります。今の時代、ネットで調べればSEOの知識や情報は得られるけれども、次にぶつかるのは「SEOの実践」の壁です。

見よう見まねでやりつつ、Google検索で上位表示される記事も出てきたもののGoogleコアアップデートで順位が急落したり、競合との差がいつまでたっても埋まらない・・・

SEOコンサル会社に所属している場合は、頼りになる先輩に聞けばいいのですが、中小企業だと1人広報という現実が待っています。当然、マーケティング部門やマーケティングチーム等もありません。場合によっては兼任でSEOに取り組まなければなりません。

このSEO本はSEO初心者から脱却し、「強いSEOプレイヤー」になるための実践者を目指すための本です。1人SEO担当者の頼りになる先輩代わりに活用する場合にオススメの1冊です。

『強いSEO』のコンセプト

”『強いSEO』は、読了後に「自ら考え、手を動かせる」状態を目指し、再現性の高いSEOのノウハウを凝縮した一冊”

”『強いSEO』は「新卒2年目の自分」をターゲットに設定し、執筆した本です。” (著者:竹内氏)

LANY(note「出版記念インタビュー」より)

「強いSEO」書籍の概要

全5章の構成で352ページあります。想像していたよりもビッグボリュームで驚きました。SEOの基本等はもちろん、知識から実践につなげるためにSEO戦略からSEO戦術(サイトタイプ別の実践的手法)まで解説しています。

  1. SEOの基本をおさらい

  2. SEOの流れをつかむ

  3. サイトタイプ別のSEO戦略

  4. 手法別にSEOを実践する

  5. SEOの地頭力を鍛える

1.SEOの基本

SEOの基本として、検索エンジンの仕組みやGoogle検索アルゴリズム-Google検索品質評価ガイドラインに基づく重要な概念「YMYL」「E-E-A-T」等の基本となる概念を解説しています。

2.SEOの流れ

SEOに取り組む目的、キーワード戦略設計、SEOの戦術策定と実行、モニタリングと改善等、SEOの業務フローの流れに基づき解説を行っています。

実際のSEO業務フローに沿った流れを理解することでSEOの全体像が見えてくるのではないでしょうか。

(例えば、山登りにおいて地図もコンパスもなく、山頂や道中のイメージもないまま手探りで進むと怖いものです。しかし、登山経験者に山の概要とか注意点を教えてもらったり、実際の写真とか見せてもらえれば、安心して進むことができるような感じですね。このSEO本は頼れるベテランガイド役のようなものです。)

さらに、特筆するべきは、実際にLANYが業務で使用しているシートのイメージ図を開示していることです。すごく参考になりました。

3.サイトタイプ別SEO戦略

この書籍で取り扱っているサイトは①記事型メディア②DB型(データベース)サイト③店舗型サービスサイト④BtoB型サービスサイト⑤店舗型サービスサイト⑥CGMサイト(掲示板・口コミ系サイト)⑦多言語・多地域サイトの7種類です。

ご自身がSEO業務で担当しているサイトタイプの戦略を読み込むことで実践につなげやすいと思います。

4.手法別のSEO実践

サイト改善の手法(戦術)の解説です。どのサイトにも共通で使える戦術と特定のサイトタイプのみにあてはまるものに分けて紹介されています。

具体的には、キーワード選定の概論から実践。E-E-A-T強化、被リンク獲得、指名検索の増やし方。トピッククラスターの概論から実践。低品質コンテンツ対策。

そして、フラッシュリライト(LANYの独自用語)、読者体験向上、コンテンツの独自性強化等を取り扱っています。

さらに近年注目の分野である生成AI。便利である半面、使い方を間違えるとペナルティを受け、順位下落を招きかねない生成AIとの向き合い方や活用の手法等に触れているのはありがたいことです。

5.SEOの地頭力を鍛える

最後の章では「SEOの地頭力を鍛える」をテーマに、ビジネスの基礎力(論理的思考力やプレゼン力)を身につけることも重要であると著者は語っています。

昔のSEOは「ブラックハットSEO」の様に裏技的なもの(ゲームで言うバグ)を見つけることが順位上昇に効果を発揮する時代もありましたが、現代のSEOは小手先のテクニックよりも記事の品質(E-E-A-Tや独自性)、ユーザーファースト思考等の正当な手法で結果を出す時代です。(ブラックハット的なSEOはペナルティを受けます。)

著者も、近年のSEOは難易度が向上し、必要なスキルや能力の変化、エンジニア等との連携(チーム力)が必要であると語っていますので、強いSEOの専門家となるには、土台となるビジネス基礎力及び周辺領域の知識やスキルもしっかりと身につけておくことが必要不可欠なのでしょう。

SEO業務の枠のみにとらわれない越境型人材を目指しましょう。

「強いSEO」感想のまとめ

SEO本としての読みやすさ

基礎的なSEOの知識がある人であれば、すらすらと読めると思います。(テクニカルSEOの部分は易しめに書いてあるので、知識が不足している私的には、ふんわりとした理解で読み進められるのでちょうどいいです。)

※逆にテクニカルSEOやHTML等の解説が多い書籍は、私的には読むのが辛いので「積ん読」となりがちです。中級~上級者を目指すフェーズでチャレンジしようと思います。

「強いSEOプレイヤー」について考えさせられたこと

筆者は、近年のSEOの領域の広がり(総合格闘技的な)そして、「SEOは絶対的な正解がない」と述べています。

その要因は、生成AI、他のSNS等のプラットフォームの動向による影響です。その影響を受けてGoogleコアアップデートも定期的に行われることから、Google検索アルゴリズムも外部要因により影響を受け、積極的にアルゴリズムを変化させると予測できるでしょう。

(例えば、一般社会でも事件が発生すれば罰則が厳しくなったり、時代の流れにより新しい法律や政令、省令が増えたりすることと同じことだと思います。)

ですから、アルゴリズムの動きや裏技ハック的なことにばかり着目するのではなく、ユーザーの検索意図は何なのか深掘りすること、ユーザー体験の向上(UI・UX改善)が大切であること、低品質コンテンツとみなされない良質かつ独自性のある記事を書く重要性についても書籍で繰り返し触れています。

ゆえに、10年先も通用するSEOのセオリーや向き合い方、SEOの本質をつかむことの重要性を伝えることで、自分の頭で考え、自走できるSEOプレイヤーを目指すための本であると思います。

「強いSEOプレイヤー」とは何ぞや?という疑問に対して、このSEO本と向き合うことで私なりの解釈が生まれました。
(人によって「強いSEOプレイヤー」像は様々だと思いますが・・)

書籍の活用 ~SEOの実務に活かすために~

スポーツ等もそうですが、独学でやっていると変なクセがついてしまいます。この書籍でSEOのベストプラクティクスを振り返ることで基本に立ち返ることができるでしょう。
(SEO初学者だけではなく、SEO中級者の振り返りや壁打ちとしても)

キーワード選定やトピッククラスター等の重要なSEO施策実践についても、この書籍で振り返ることで私自身もSEO施策の不徹底(見落とし等)に気づかされました。再度、気を引き締めてSEOを実践しなければという気持ちになりました。
(知識として頭に入っているだけで、できているつもりになっていました・・)

頼りになるSEO先輩が常にフィードバックしてくれる環境だと気にしなくてもよいかもしれませんが、1人SEO担当者は自ら省察し、軌道修正、自己研鑽しなければなりません。時々の自身のSEO実践のチェックリストに活用してもよいかと思います。

SEOについて自分なりに思うこと。

私はSEO業務を専属とする専門家ではありませんが、情報発信のために、自身が代表を務める法人の記事を書くことがあります。

いくら自分なりに良い記事を書いたなあと思ってみても、日記と違い、人に読んでもらうために書いてますので、やはり検索順位等は多少気になります。

SEOを大事にすることは読者に気持ちよく読んでもらうためのお作法かなと思っています。いくら美味しい料理でも乱雑にまぜまぜ丼として提供されると「なんだかなあ」と思いますし、盛り付けも含めて料理、味わいだと思います。美味しいケーキもデコレーションやラッピングが丁寧にされているから、よい美味しく(価値を)感じるものかなと思います。

私的にはSEOは、相手への思いやりを示す、マナーや作法でもあると解釈しています。良いトピック(記事)だからこそSEOもしっかりとやっていきたいものです。

補足 ~よりSEOの知識を深めるために~

そもそも、私もSEO初学者時代に著者の会社LANYブログやYouTubeチャンネルで基礎的知識を身につけました。ページの関係上、書籍に入れることができなかった情報等も多いようですので、下記を参考にすれば、よりSEOの理解が深まると思います。


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