「その時」、できることはそう多くない・1 22.10.10
その朝、僕は洗面所で歯を磨こうとしていた。
テレビではいつも通り、全国の平和な話題を伝えていたと思う。
そこへ、「ポッポッ、ポッポッ」とニュース速報の音。
はー、朝からなんだべと、リビングに戻ると、テレビの画面では、真っ黒な背景に「国民保護に関する情報」の文字が。
えぇぇぇ……。
いきなりそう言われてもどうすれば良いのか。
そのうえミサイルは、北海道・青森方面へ向かっているという。
テレビでは「頑丈な建物か地下に避難しろ」と伝えていたので、とりあえず僕もそうツイートしたものの「頑丈な建物か地下」ってどこにあるんだよ、って話である。
すぐ思いつくのは近くの学校の校舎だが、何せミサイルなので避難するまでの時間が極めて短い。外に出るのはどう考えても得策ではない。
オロオロしながら、リビングのカーテンを閉めていると、「ミサイル通過」の情報が。
第一報からわずか12、3分後。
つづく
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