アロマンティックあげるよ 22.4.21
2019年春、京都で開催された、寂聴先生の生前最後の講演会。直接会場に行くことはできなかったが、後日オンライン配信で観ることができた。
その中で、寂聴先生がおっしゃっていたこと。
「今ここにいる人でまだ誰も愛したことがない人は、今日から急いで、誰でもいいから愛してください」
……
…………
えーと
ごめんなさい、いくら寂聴先生の最期のお言葉でも、それはちょっと……。
いや、僕自身はラブはウェルカムなんですけど。ただ縁が無いだけであって。
書こう書こうと思っていて書きそびれていたのだが、『恋せぬふたり』というドラマが先日まで放送されていた。
放送している間に紹介したかったのだが、五輪の関係で放送が飛び飛びになったことと、各回のラストがややあざとい気がして、少しためらっていた。
ドラマといえば、多かれ少なかれ恋愛要素が絡むものだが、他者に恋愛感情も性的欲求も抱かない人(アロマンティック・アセクシュアル)の男女二人が主人公。おそらく日本初と思われる。
「恋愛に興味の無い」キャラクター自体はこれまでにもよくドラマに登場してはいるが、「本当は恋愛したいのに無理して突っ張ってる人」「寂しい人」「冷たい人」として扱われがちではある。
「恋愛したくてもできない」のではなく、最初から他者に恋愛感情をいだかないのだという。
このアロマンティック・アセクシュアルの男女二人が、恋愛感情がないまま同居するところから話は始まる。
全話観終わった感想は、公共放送制作という事もあり「みんなマジメで(物わかりの)いい人」。アロマアセク(作中での略称)の敵というか、理解できない人も当然出てくるが、ほとんどの人が最終的に態度を軟化させる。
全六回ということもあってか展開が速く、ドロドロな展開になるわけでもなく、ある意味理想的な世界が描かれている。
ただ、最初に書いたように、若干のあざとい展開が気にはなった。たとえば女主人公の親友が実は……。
以下Wikipediaで。
などなど。
とは言え、全体的には公共放送らしい、アロマアセクを正面からとらえつつも堅苦しくはない仕上げで、好ましい作品だった。
某天オ●ネ●ト(結婚相談所)が番組スポンサーの『婚●探偵』とはえらい違いである。
このドラマをもし、寂聴先生がご覧になったら、どのようなご意見を口にされるのか、お聴きしてみたかった。