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男惚れする格好いい男たち・ひちゃけん、如水を語る!など

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◉『男惚れする格好いい男たち』では、自分の愛読書の中から、これはという人物に照射し、自分のなりの英雄像を結びつつ、叙事詩的に歌い上げていきます。俺のこれまでの人生や読書感を、この…
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2022年1月の記事一覧

男惚れする格好いい男たち⑥ vol.118

俺がこれまで積み上げた人生や読書感からくる、格好いい人間像について語ってみたい。

再び、正岡子規。

真之がアメリカに留学する時の話。

真之が子規宅を訪れ、暫しの別れを往来したことがあった。

子規は真之の華やかさを羨望しつつ、見送った後、一人蚊帳に泣いた。

だが、前段で子規は日本人の気質というものに触れている。

如何にも子規らしい発想で、俺はその子規らしさゆえに、心底俺は心を躍らせた。

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男惚れする格好いい男たち⑤ vol.108

男惚れする格好いい男たち⑤ vol.108

俺がこれまで積み上げた人生や読書感からくる、格好いい人間像について語ってみたい。

今回は高杉晋作。

この男は生半可なことでは凹まない。

いや、凹んで見せるも内実、その眼光は違うところに視線を合わせている。
 
幕末にあって、革命の天才ともいうべき男。

この戦略家は常に壁にぶつかりつつあった。

が、ぶつかる前に既に活路を見出し、時に桂馬が跳ねるように意外なところに飛んでいく。

そんな男だ

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男惚れする格好いい男たち④ vol.104

男惚れする格好いい男たち④ vol.104

俺がこれまで積み上げた人生や読書感からくる、格好いい人間像について語ってみたい。

4回目は胤舜と武蔵。

武蔵の剣を飛躍的に向上させたライバルが胤舜。

屠殺・撲殺を主とする武蔵の剣に体系的な軸組を入魂せしめたのが、胤舜との勝負前夜である。

それまでの胤舜には自分の命を脅かすほどの敵がいなかった。

それこそ、胤舜の最大にして最後の課題。

心・技・体。

胤舜の技・体にほとんど死角はない。

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男惚れする格好いい男たち③ vol.101

男惚れする格好いい男たち③ vol.101

俺がこれまで積み上げた人生や読書感からくる、格好いい人間像について語ってみたい。

前回と同様、正岡子規について。

彼は言った、「あしがこんなに世間に対して舌鋒鋭くしているのにそれほどの批判を受けんのは、皆あしがいつ死ぬかもしれん病人と知っとるからじゃ。病人は得なもんぞな。」

その代表的とも言える舌鋒鋭き作品が、『歌よみに与ふる書』である。

この中で、子規は旧派の歌よみたちを酷評と言えるほど

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男惚れする格好いい男たち② vol.98

男惚れする格好いい男たち② vol.98

俺がこれまで積み上げた人生や読書感からくる、格好いい人間像について語ってみたい。

次は正岡子規について。

子規は病床にあって、当初、自分の不遇さを大いに呪った。

彼は結局は俳人という道を選んだが、自分の才能についてこれほど自負心の強い男はいなかった。

彼は文学だけでなく、政治家ですら自分は適材であると思っていた。

ところが、世すぎの職業は新聞記者であり、しかも社長の陸羯南のような世に弁舌

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男惚れする格好いい男たち① vol.95

男惚れする格好いい男たち① vol.95

俺がこれまで積み上げた人生や読書感からくる、格好いい人間像について語ってみたい。

まずは坂本龍馬。

龍馬の死は1867年11月15日。

京都の伏見近江屋で幕府の走狗・見廻組の筆頭、佐々木唯三郎の手により暗殺された。

龍馬は中岡慎太郎とシャモ鍋を食している間に凶刃に斃れた。

階下で大きな物音がする。

それを龍馬は下男達の戯れだと思い、静かにするようにと『吠たえな!』と叫ぶ。

刺客たちは

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