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精神物理学:動的心理学

物体の状態変化機構を精神状態の変化に適用
【外(現象)-自己(境界)-内(精神)-芯(価値観)】の構図に基づく

〈要素〉
①外圧∝外的作用強度:外的ストレス
②内圧∝内的作用強度:内的ストレス
③時間変化:
芯の応答速度(個体値,成長に伴って変化)
平均半応答期間:3〜9ヶ月(目安)
平均全応答期間:1年〜(目安)

〈外的ストレス〉外⇒内
・感覚:その時々の環境への不快感、抵抗感、疎外感
・効果:環境改変欲求につながる
・ストレス強度と応答
0:(全存在、無形)
弱:内的ストレスへの影響小
強:内的ストレスへの影響大

〈内的ストレス〉外⇐内⇒芯
・感情:その時々の自己への不快感、抵抗感、疎外感
・効果:自己改変欲求につながる
・ストレス強度と状態
0:フロー、至適状態、無我
弱:自己肯定感、諦めと順応
強:自己理想改変/自己批判省察/環境改変

〈ストレス強度と各状況下における精神応答〉

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たいていの人は①~④を揺れ動く
強と弱とを分かつ基準線は個人の芯にあって、経験や知識や思い込みによって如何様にも変化する。

生活面においては一般に②は社交的な人、③は内省的な人と見られる。

①、②は社会を維持発展させる雑多な仕事に広く長けている。
③は理知的で堅物、よく人見知りをして人間関係に軽薄であるため世渡り上手と見られることもある。
④は内気でありながら大胆でもあり、あらゆる行為に対し消極的でありながらいざその為すところは大きい。大欲は無欲に似て一見利他的で聖人君子の如くであるが、身の丈を知らぬ聞かん坊という側面も持つ。創作や事物の理解に長け、匿名でのエクリチュールやカウンセリング、管理業務等を得意とする。
しかし④である限りは無難、絶望、意固地に留まっていることが多く、①~③に転化することで大きな業績を修める場合もある

なお、この表に深く理解を示すような精神遍歴を持つ者の精神はもはやいかれている。つかみどころがなく無愛想でありながらも慈愛深く、混濁と清純をその精神の内に有した、いい意味での人でなしであろう。

芯の在り様はまず身体の構造、つまり遺伝を基礎として、その上に生まれ育った環境、受けた教育、交わった人々、社会的背景などの影響を受けて形作られる。
人によっては、自己認識の発達に端を発し、芯の内省を通して、場面に合わせて感情を分解・再形成できるようになる。

一定圧一定温度において気体相をとる物質や固体相をとる物質が「物質界」を構築するように、人それぞれに様々な特性を持った精神(恣意的に性質を変え得るもの)の集まり:精神界の中に我々は存在している。
あるいはそれは「社会」として偶有的に組織立てられ、蓋然的に顕現し、物質の上に高次的なシステムを形成している。

いわゆる物理法則、自然の法則に則って事物が表れるように、精神は事物に則って表れる。

ゆえに唯物論ですべてを語るのは物足りず、誤りではないが正しくない。かと言って物心二元論、理神論や汎神論でもまだ足りない。我々は真に全てを以てしか真にすべてを説明しえないのだ。

ゆえに、心には心の物理が必要である。
心理学は自他の心を対象化し、心の法則の一般化を図るものだが、この精神物理学は1つの心にどこまでも付き従い、感情の相対化を起こさない、動的な心理学を意味する。




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