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【思わぬ出会いと再会がある不思議な本屋さん】小さな棚が繋いでいく
このエッセイを楽しみたい方は Chapter 0 から
本屋のことを知りたい方は Chapter 4 から
Chapter 0
6連勤が終わり、待ちに待った週末。
天気は、晴れ時々曇り。風も少し吹いている。
梅雨が明けのこの時期にしては
いい気候。
出かけるのにはぴったりの日だ。
今日は前から行こうと思っていた本屋。
「ぼくの書店」
近所の本屋でも、一駅先の大型本屋でもなく
「ぼくの書店」に行くのだ。
なぜ、ここに行きたいと思ったかを話すと
とてつもなく長くなるので、今回は割愛。
ひと言で言うならば、
ここには、本を通して人と人の繋がりがある
直感的にそう思ったからだ。
Chapter 1 ひとつめの勇気
電車をいくつか乗り継いで、
目的地最寄りの駅へ。
駅のホームに着くと
やわらかな声のアナウンスが
優しく迎えてくれた(気がする)。
しかし、気持ちはそれどころではなかった。
緊張と少しのワクワクを携え
Googleマップを見ながら5分ほど歩く。
「目的地周辺です」のアナウンスがあり
周りを見渡すと目印の塀が見えた。
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入り方はSNSの動画で予習済。
(入り口は少し見えにくいところにある)
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/82398792/picture_pc_c1ad94ed01171a105a1109d7d8c41a37.png?width=1200)
動画の通りに足を進め、
お店の扉の前へ。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/82398831/picture_pc_63e7826de166b1b9e3f34682e6642a87.png?width=1200)
ドアに手をかけ、開けようとするが
あれ??開かない。
まさかの休み?!
でも、今日は営業日だったはず。
色々なことを考え一旦引き返すことにした。
そうか、
店主はお昼休憩をとっていて
たまたま、外出中だったかもしれない。
それなら私もお昼ご飯を食べて
出直そうではないか。
一つ目の勇気を使い切った私は
そんなことを考えつつ
近くのスターバックスへ。
30分ほど時間を潰し、
再度「ぼくの書店」に向かう。
Chapter 2 ふたつめの勇気
いざ、2度目の挑戦。
店主も昼ごはんから帰ってきてるはず。
そんな想像をしながら、
扉を1度目より強く引いてみる。
しかし、やっぱり開かない。
今日はご縁がなかったのかもしれない。
諦めて今日は帰ろう。
後ろ髪を引かれつつ、「ぼくの書店」を後にした。
Chapter 3 みっつめの勇気
帰りの駅のホームのベンチに腰をかける。
寂しいような、少し残念なような
そんな気持ちを紛らわそうと
ケータイをひらき、
「ぼくの書店」のアカウントをぼーっと眺める。
帰りの電車がくるまであと6分。
と、ここで
とてつもなくいいことを思いついた。
ダイレクトメールで連絡をとろうじゃないか。
3つ目の勇気を使い
開いているかどうかを問うメッセージを送る。
幸いにも返信がすぐに返ってきて、
お店が開いていることが分かった。
閉店まで45分くらい。
これは、もう行くしかない。
Googleマップを見なくても分かる道を歩き
いよいよ、あの開かない扉の前へ。
取っ手に手をかけ
思いっきり横に引く。
カタカタという心地いい音を立てて
体の幅半分ほど扉が開いた。
Chapter 4 互いを尊重し合う空間で
ついにお店の中に足を踏み入れることが
できたのである。
お店の中は
"外国の田舎の家"と"日本の昔ながらの家"の
いいとこ取りをしたような佇まいで
黄色いやわらなか光が店内を優しく照らしていた。
古い家と本とお花と。
それぞれが自分の個性を持って
互いに尊重し合いながら
存在しているように思えた。
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![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/82399788/picture_pc_7cac97c7fb124df2b0113bb7459cb399.png?width=1200)
Chapter 5 心地よい距離感の店番さん
今日は「ぼくの書店」の代表の方が
店番をされていた(多分)。
緊張で何を話したか覚えてはいないが
ひと言、ふた言は言葉を交わしたと思う。
その後、私が本棚に向かうと
店番の方もパソコンの作業に戻った(後ろをあまり
見ていなかったのでこれは私の憶測ではあるが)。
ある程度、距離を保ちつつも、
声をかけたい時は、すぐにかけることができる
穏やかな空気がそこにはあって。
人の視線に緊張してしまう私にとっては
心地よい距離感だった。
何度かこのお店に通い、
ここの場所と人に慣れてきたら
店番の方ともお話ししてみたい。
そう思いながら、
徐々に、本棚に意識が向いていくのを感じた。
Chapter 6 出会いと再会がある不思議な本棚
本棚はひと区画ごとにオーナーさんがいて。
小さいスペースだけど、
いや、小さいスペースだからこそ、
オーナーさんの思いや工夫が
たくさん詰まっていて。
本棚を横に見ていくだけでも
本屋さんをいくつも
ハシゴしている気持ちになった。
小さい頃、母に読み聞かせをしてもらった本。
小学生の時に夢中になって読んだ本。
普段、自分が手に取らないであろう本。
将来読めるようになりたいと思う本。
本の数はそれほど多くはないのに
思わぬ出会いと再会があった。
本当に不思議な本棚。
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Chapter 7 迎えた一冊の本
本日、迎えた本は、
『大草原の小さな家』。
私が小さい頃に
母が寝る前に読み聞かせをしてくれた本。
この本が誰かに読まれてきたのだと思うと
新品の本にはないぬくもりがあるような気がした。
今夜のお供にしよう。
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Chapter 8 小さな野望
いつか
私も、
この本棚の
ひと区画の
オーナーになってみたいなぁ
なんて想像を巡らしながら。
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帰りの電車で記事を書いていたら、
乗り過ごしてしまった。
今からは電車を降りることに集中しようと思うので
本日はこの辺で。