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ぽぽら
2024年8月5日 22:09
【透明】いるのかいないのかときどき人によくわからないと言われますときどき透明が怖くなります交差点を渡る人ごみに紛れて私はどこかにいなくなるような気がしますいるのかいないのかわからない透明に飲まれてしまいそうでついつい確かめるように歩道に力をいれてコッツコッツと歩いてしまいます渋滞のクラクションが響きますさっきまでうつくしい円形だった見事な夕日さえほろりほろ
2024年6月25日 00:49
動物園のキリンが僕たちと違う方角を見ている君はあれからすぐにフラミンゴの方角にみとれて 僕と違うところを見ている今日の風はどこ吹く風広場の風見鶏は屋根の上でくるくるとまわりっ放し東西南北にいそがしい日曜日の動物園 おおぜいのひとはどうしようもないくらい ひとである一日を忘れて陽ざしの満ちる方角にあふれていた時々そんな日が 僕たちにあってもいいじゃないか ひと
2024年5月13日 18:57
キミがどこへ行こうとしているかはダレも知らないボクだってボクがどこに行くかなんてわからない今はヒトのいのちがどこへ行ってしまうかということよりももっと知らないといけないことが山ほどあってボクタチはその道の途中住み慣れたガラス窓に映る空は堂々と生きてボクは堂々とボクとして生まれてきたはずなのにいつの頃からかボクの中の何かが何かになろうとして泣いていたんだだけどどう
2024年3月10日 19:54
目覚めても幾度目覚めても鳥になることはない翼なんて生えない朝の光シーツにうずくまって覚めることのない夢を抱えていたカーテンの向こうの空を見ていたとべない空を見ていた大空よ僕たちは鳥になんてなれないその青さを手にするにはどこから辿りつけばいい?願いあって祈りあっても翼は生えないだけど僕たちはゆくよひしめき広がる平面の景色を何があってもうつむかないってこと
2024年1月13日 17:26
町の夜はとてつもなく暗いと感じてにんげんは星の光だけでは足りなくて求めてしまうのです行き先のわからない明日からの身の上を案じ何億もの星の下とどかない高さをもとめて生きてしまうのです人工につくったあかりは必要以上にあかるくて時には見たくない孤独をさらけ出してしまうけれどそれでもすぐそばになくてはならないものになってしまって今宵もあちらこちらから光りだすに
2023年12月14日 09:45
新規開店の扉の前に何やら長い行列ができていた何のお店かわからないまま 行列につられて 次から次へと人は続いてゆく誰かがぽつりと言った このお店には評判の 幸福になれるグッズがあるの誰かがぽつりと言った このお店には評判の幸福になれるサービスがあるの何もわからないまま次々と人は並ぶどこまでもどこまでもつられてやがて木製の小さな扉が開いた人々は次々と 扉の向こ