マガジンのカバー画像

【くら詩note】 #一緒に生きよう

8
人生、山あり谷あり。晴れたりやんだり。楽しいときも辛いときも、いつもポケットに詩がありました。今までさんざん書き散らかしてきた詩のノートより、お気に入りをピックアップ。♯一緒に生…
運営しているクリエイター

#生き辛さ

【くら詩note】さみしがり屋

【くら詩note】さみしがり屋

ほしいものは今
何ひとつありません

どうしても
ひとつだけっていうのなら
今すぐこのてのひらに
そのてのひらをかさねてください

君の裏通りにある
ずっと前から
閉ざされていた内輪の窓は
もうすぐひといきれで
あたためられてゆくでしょう

さみしがり屋の君を
僕はいつも探していました
あかるいふりをして
言わずのかげを隠すから
すぐに辿りつける角を
なんどもなんども
曲がりそびれていたのです

もっとみる
【くら詩note】太陽しか見えない日

【くら詩note】太陽しか見えない日

【太陽しか見えない日 】

私にはあなたが見えた 

太陽で何もかも見えない日
街の片隅でひっそりと臨んだ
消えそうで消えない
今日の朝の三日月を

まぶしすぎて見失ってしまう
うつむくだけで 
光の影になってしまう
いい子になるつもりなんてない
ただ誰かの笑顔が見たかっただけ

明るいことがすべてだと
勘違いしている真昼の世界から
どうぞ連れ出して

太陽しか見えない日に 
どうかしている私に 

もっとみる
【くら詩note】透明

【くら詩note】透明

【透明】

いるのかいないのか
ときどき人に
よくわからないと言われます

ときどき透明が怖くなります
交差点を渡る人ごみに紛れて
私はどこかに
いなくなるような気がします

いるのかいないのか
わからない透明に
飲まれてしまいそうで
ついつい確かめるように
歩道に力をいれて
コッツコッツと歩いてしまいます

渋滞のクラクションが響きます
さっきまでうつくしい円形だった
見事な夕日さえ
ほろりほろ

もっとみる
【くら詩note】 そっぽ

【くら詩note】 そっぽ

動物園のキリンが
僕たちと違う方角を見ている
君はあれからすぐに
フラミンゴの方角にみとれて 
僕と違うところを見ている

今日の風はどこ吹く風
広場の風見鶏は屋根の上で
くるくるとまわりっ放し
東西南北にいそがしい

日曜日の動物園 
おおぜいのひとは
どうしようもないくらい 
ひとである一日を忘れて
陽ざしの満ちる方角にあふれていた

時々そんな日が 
僕たちにあってもいいじゃないか 

ひと

もっとみる
【くら詩note】アリフレタナニカ

【くら詩note】アリフレタナニカ

キミがどこへ行こうとしているかは
ダレも知らない
ボクだってボクがどこに行くかなんて
わからない
今はヒトのいのちが
どこへ行ってしまうかということよりも
もっと知らないといけないことが
山ほどあって
ボクタチはその道の途中

住み慣れたガラス窓に映る
空は堂々と生きて
ボクは堂々とボクとして
生まれてきたはずなのに
いつの頃からか
ボクの中の何かが
何かになろうとして泣いていたんだ

だけどどう

もっとみる
【くら詩note】鳥

【くら詩note】鳥

目覚めても
幾度目覚めても
鳥になることはない
翼なんて生えない

朝の光
シーツにうずくまって
覚めることのない夢を抱えていた
カーテンの向こうの空を見ていた
とべない空を見ていた

大空よ僕たちは
鳥になんてなれない
その青さを手にするには
どこから辿りつけばいい?

願いあって
祈りあっても
翼は生えない
だけど僕たちはゆくよ
ひしめき広がる平面の景色を

何があっても
うつむかないってこと

もっとみる