人生も、季節のよう
人生も、季節のように移り変わり、巡っていくものなのだ。
先日、ある映画を観ながら、しみじみ、そう思いました。
その映画とは、「ベニシアさんの四季の庭」です。
ベニシアさんのことはほとんど知らず、雑誌などでちらっと拝見した程度だったのですが、美しい庭の中で穏やかに微笑む彼女の写真を見て、私は勝手にこんなイメージを抱いていました。
ゆっくり、
のんびり、
自分らしく暮らしているひと。
そんな風に思っていたので、映画を観て、本気で何度も驚いてしまいました。
なぜなら、彼女の人生は、一言で表すと「波乱万丈」そのものだったからです。
ゆったりと構えているように見えても、歩んできた道は決して平坦ではなく、本当に様々なことを経験なさっていたのです。
けれど、厳しく辛い経験を、どこか淡々と話すベニシアさんの姿を見ていると、どんなに苦しい時期もいずれ終わることを知って、全てを受け入れている人の強さ、賢さ、しなやかさというものを考えずにはいられませんでした。
そして、ふと自分の人生を振り返ると、ひとたび辛い思いをすると、全く希望というものを見失ってしまう自分の弱さ、未熟さが思い出されました。
そう、私は、何かあると、もう立ち直れないってすぐに思ってしまう人間なのです。
いつまでもめそめそしているわけではありませんが、根っからのポジティブとは程遠く、どちらかというと、私はネガティブなのです。
そんな私が幸せに、したたかに生きてゆくのに必要なのは、人生も季節のように巡っていくものだと覚えていることなのだと、映画を観て気がつきました。
冬の寒さを初めから全力で楽しめる人を、ポジティブというのかもしれません。そうではない私は、寒さを、しんしんと体に感じてしまいます。
でも、雪の美しさをしみじみと感じることも、やがて巡ってくる、暖かい春に思いを馳せることもできます。人生も季節のように巡るものだと知っていれば……。
春の華やかな空気も、
夏のうだるような暑さも、
秋の澄み切った空も、
冬の寒く物悲しい景色も。
一度きりでありながら、
何度も巡って来るものだから。
辛い時には、次の季節のことを考えて、その季節でしかみられない風景を存分に味わって……。
そんな風に、季節のような人生を生きてゆけたらいいな、と思いました。
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