「マッサージ」に必要なのは力加減と察する力
”感覚的”の最たるもの
美容師の仕事の中で「力加減」の調節を問われる、シャンプーやヘッドマッサージ(ヘッドスパ)ほど、感覚的なものはない、と常々思います。
施術する側と受ける側の間には、感覚の差が生まれやすく、そこでうまくマッチすれば、 「この人、ものすごく上手!」にもなりますし、
嚙み合わないと 「この人全然ダメ、下手だわ。もう頼まない。」
になります。 この感覚は、一人ひとり違い、 自分にとっての「強い=痛い」が 相手にとっては「丁度いい」だったり、 その逆も然り。もう、本当に様々です。
差を埋めるのはどうしたらよいのでしょう?
力加減を明確にする
これは、 HIGUCHI式ヘッドスパの著者である樋口賢介氏が出版されているテキストに掲載され、とても分かりやすい!と感じ、私も技術の軸とさせてもらっています。
美容学生に技術を教える時も「力加減の段階」として伝えますが、こうやって文章、言語化されることで、感覚的なことが、少し理解されやすくなるのだと思います。
ですが、これはあくまで目安であり、実際には 人、それぞれの感じ方が違うということの理解が非常に大事です。
強すぎて怒られたり、弱すぎて満足してもらえなかったり。 それは技術的な経験値だけではなく、コミュケーションによるものでもあります。
施術者は自分の力加減に変化をつけ、それをコントロールする術を身につけることと、 相手(お客様)のその時の体調や気分、マッサージの力加減の好みはどのくらいなのかを知るためのコミュケーション力も問われます。
痛くても、痛い!もう少し弱く。と言えない人もいたり、もっと強くと言えない人もいたり。 だから、察するということも必要になります。
喜ばれもするし、気分や体調を害する可能性もある。そういった意味で、力加減は本当に敏感であり、感覚的なもので個人差が大きいと思います。
マッサージを好きになるために
これは、かなり個人的な見解で、エビデンスはないですが…
子供の頃からマッサージすることが好きな人は、大人になってもそれを苦にすることがなく、 むしろ好きなのではないか?ということ。
私自身、子供のころから、親兄弟のマッサージをすることが好きでした。
マッサージするのが得意!という知人に聴いても大体の人が「子供のころから結構好きかも。」 といいます。 (これらは、あくまで個人的な意見です)
これは、マッサージすることで褒められたり、 喜ばれたことが自分の自信や喜びになっていたりするのではないだろうかと。
マッサージして喜ばれることが身に染みてくると、マッサージしてあげることが楽しくなるので、知らぬ間に得意(だと思っている)になるのかもしれません。
それが先々に仕事で活かせることになっているのは、有難いです。
最近、姉にも「力加減について」を伝え、子供たちに仕込んでみてはどうかと伝えたところです。姪や甥が、マッサージをするのが好きになって くれれば良いですが。
マッサージは、コミュニケーションの一つである触れることの一つです。
マッサージするのが好き!な人になれば、人に喜んでもらえる術を身につけられることにもなります。
そういう人が増えたら良いなと思います。
Aya Horiguchi