原爆忌見知らぬ友へ祈り継ぐ
ちょっとタイミングがずれてしまいました。でも、こういうことはタイミングだけで行うものでなく、恒久的にそういう気持ちを秘めておくことが大事だと思うのです。
黙々と自分なりにできることを続け、イベントや記念日など然るべきタイミングで成果や意見をアピールすればそれでもいいじゃないですか。
かつて音楽家を志したわたしとしては、音楽をささげることがアピールできること。本当はいつか広島の平和公園で演奏してみたかったのですけどね。
この曲はミュージックコンクレートと呼ばれる技法を元に作られています。自然の音を素材として録音してゆき、その音をコンピューター上で加工し、編集し一連の音の流れを作り上げます。最後は1つの音楽ファイルとして完成です。
メロディもリズムもありません。加工された自然音が次々と再生されるだけ。耳慣れない種類の音楽ですが、流れる音に心身を委ねゆったりと聴いてみてください。(すみません。有料作品ですのでさわりだけでも)
「音楽好きでしょ?」というマガジンの方に曲をアップロードし、さらにこちらに少々説明を付け加えさせていただきました。あちらでは、最低限必要な説明しか、書けないので。
フランスで開催される世界でも最大規模の電子音楽祭「FUTURA」が、数年前に「平和」をテーマにした作品を募集したことがありました。本作品はそれに応募するために作曲したもので、幸運にもFUTURAで初演いただきました。
この曲は広島の原爆で失われていった命のために作曲した鎮魂歌であり、75年前の記憶を閉じ込めるつもりで、ほとんどの音素材を平和公園とその周辺で集めました。
長崎の平和公園には残念ながらまだ訪れたことがないのですが、長崎ではまた違う曲が作れそうです。
フランス公演のパンフレットには限られた文字数で、しかも英語で、原爆で亡くなった方への祈りの作品だと書いたつもりです。どれだけの人に通じたかわかりませんが、遠くフランスから、鎮魂の祈りを捧げてくれた方がいたならとてもありがたいことです。