kumi

自分のための映画感想保管庫

kumi

自分のための映画感想保管庫

最近の記事

エルトポ

[ネタバレ含みます] 公開 : 1971年4月15日 監督 : アレハンドロ・ホドロフスキー ジャンル : ドラマ・ファンタジー 「エルトポ」とは「モグラ」を意味するらしい。 主人公のエルトポは
自分のテリトリーの中では一番強い存在であり、世界のトップ、つまり「自分は神である」と過信していた。しかし、一歩外に出て世界を知ると、自分はとてつもなくちっぽけな存在だということに気づき、どんどん惨めな姿になっていく。
 苦しい世界をかき分け、トンネルを掘り進め、やっとの思いで地上

    • エンドレスポエトリー

      [ネタバレ含みます] 公開 : 2016年5月14日 監督 : アレハンドロ・ホドロフスキー ジャンル : ドラマ・ファンタジー リアリティのダンスに続く続編。 現実では最後まで独裁的だった父を前作で改心させた部分をどう描くのか気になったが「結局何も変わらないじゃない」の一言で片付けられていてちょっと面白かった。 前作では父、今作はアレハンドロ監督本人を中心とした物語構成になっている。 お金に囚われてルールや思想にがんじがらめになっている父と、詩というものに出会えた事で世

      • ローマの休日

        [ネタバレ含みます] 公開 : 1953年8月27日 監督 : ウィリアム・ワイラー ジャンル : ロマンス 正直10年前くらいに見て、記者の家の雰囲気がいいなくらいしか覚えてなかった。 モノクロとカラーの両方の映画があった時代。アカデミー賞も白黒部門というのがあった。 このローマの休日はお金がなくて白黒映画になったらしい。そんな理由だったんかい!本当はカラーで撮りたかったらしいが時すでに遅し。 だが結果的にこのモノクロの雰囲気が高級なアンティーク感を演出していてこの映

        • 未来世紀ブラジル

          [ネタバレ含みます] 公開 : 1985年2月20日 監督 : テリー・ギリアム ジャンル : SF 舞台は情報統制された未来のどこかの国。ディストピアの世界をシュルレアリスム的に描いているような印象を受けた。 監督の過去作などを踏襲して作られたらしいので、完全に内容を理解するにはかなり難解な作品。今の自分では知識不足でどうしようかとかなり頭を抱えたが、とりあえず自分なりにこの作品を読み解いてみたいと思う。 この映画は「ダクト」がかなり重要なキーとなっており、現代でい

          タイタニック

          [ネタバレ含みます] 公開 : 1997年12月19日 監督 : ジェームズ・キャメロン ジャンル : ドラマ・ロマンス 3時間超という驚きの長さにも関わらず全然ダラけずに最後まで見られた。色褪せない映像美とストーリー展開は圧巻。 人気があるものは天邪鬼で避けていた節があったが、やはり評価されるものこそちゃんと知っておいた方がいい。 誰もが知ってる船首で抱き合うシーンはこの映画のど真ん中にあったのに驚いた。もっとラストの盛り上がるところかと思っていた。 恋に落ちた二人が

          タイタニック

          ベルベット・ゴールドマイン

          [ネタバレ含みます] 公開 : 1998年10月23日 監督 : トッド・ヘインズ ジャンル : ドラマ・ミュージカル デヴィッド・ボウイをモデルにしたフィクション映画とされているが、ボウイは楽曲提供は一切行わず最後までこの映画のことは認めなかったそう。 監督は熱狂的なボウイのファンで、厳密に言えばボウイの演じたジギースターダストのファンだったのだろう。ジギースターダストはイギリス公演を最後に事実上の死を迎える。恐らくその当時の衝撃と熱量を監督の視点で描いた映画になってお

          ベルベット・ゴールドマイン

          さよならの朝に約束の花をかざろう

          [ネタバレ含みます] 公開 : 2018年2月24日 監督 : 岡田麿里 ジャンル : アニメーション・ファンタジー 泣いた。 最後結末を観客に託すのではなく人間の生まれてから死ぬまでの出会いと別れを描き切っていた。 綺麗な部分だけでは無い、ファンタジーだが人間の内面をリアルに描いた作品。 今回はくどい文章など要らぬ。って感じがしたので絵に想いを込めてみた。

          さよならの朝に約束の花をかざろう

          ライフ・イズ・ビューティフル

          [ネタバレ含みます] 公開 : 1997年12月20日 監督 : ロベルト・ベニーニ ジャンル : ロマンス・戦争 ホロコーストを描いた作品。 前半のコメディ調の多幸感溢れる物語からの収容所に収監される過程の精神的ダメージがえげつなかった…。 父のグイドは不安と過酷な労働に置かれる状況下で息子を最後まで不安にさせずに身を犠牲にしてまで守りきる。ホロコーストの惨忍さを描きながらもユーモアを上手く織り混ぜる脚本と演出が本当に秀でていた。 一番印象に残っているのは「子供はシャ

          ライフ・イズ・ビューティフル

          リアリティのダンス

          [ネタバレ含みます] 公開 : 2013年5月18日 監督 : アレハンドロ・ホドロフスキー ジャンル : ドラマ・ファンタジー 出だしから抽象的な映像と詩が出てきたりシュルレアリスムのような世界観だったりで、こりゃ難解な映画だ…と途方に暮れていたが、見終わった後に見たカンヌの舞台挨拶にて監督が「これは父との確執を描いた自伝的映画」という説明を聞き一気に合点がいった。 ホドロフスキー監督の父であるハイメは高圧的でスターリンを崇拝していた。母のサラはオペラ歌手になりたかっ

          リアリティのダンス

          アナスタシア

          [ネタバレ含みます] 公開 : 1997年11月21日 監督 : ドン・ブルース、ゲイリー・ゴールドマン ジャンル : ミュージカル・アニメーション セル画からCG作画に切り替わる時代のアニメーション。コピーできるとはいえ相当な枚数を描いたはず。しかも約90分の超大作。映像美に圧巻だった。 声を先に録音し、役者が動きまで演じたということなので、恐らく実写で動きを撮影し、それをトレースしているのだと思う。人間の表情の描き方が独特で、人間の筋肉の動きまで伝わってきた。ファン

          アナスタシア

          マイライフ・アズ・ア・ドッグ

          [ネタバレ含みます] 公開 : 1985年12月12日 監督 : ラッセ・ハルストレム ジャンル : ドラマ・コメディ ラッセ・ハルストレム監督はこの作品をきっかけにハリウッドに招待され、先週見た『ギルバート・グレイプ』などに繋がっていくらしい。監督の人生を変えた一作と言っていいのかもしれない。 『ギルバートグレイプ』は監督の良さを残しつつもハリウッドらしい大衆向けに作られた感じがしたが、こちらは監督のやりたい表現をストレートに映像化している印象、正直少しびっくりするよう

          マイライフ・アズ・ア・ドッグ

          ギルバート・グレイプ

          [ネタバレ含みます] 公開 : 1993年12月25日 監督 : ラッセ・ハルストレム ジャンル : ドラマ・ロマンス 今まで敬体で書いていたが文章にしにくい感じがしたので常態で書くことにする。 オススメして頂き見てみた映画、とても好きな雰囲気だった。 非現実的な事件が起こるわけではなく、普遍的な日常の中で抱える問題を扱い、行ったこともないアメリカの田舎を懐かしく感じさせるような哀愁漂う空気感が心地よかった。 原題は 『What's Eating Gilbert Gr

          ギルバート・グレイプ

          オーシャンズ8

          [ネタバレ含みます] 公開 : 2018年6月8日 監督 : ゲイリー・ロス ジャンル : コメディ・クライム オススメしていただいたので見てみました。 犯罪エリート集団の華麗なる活躍といったところでしょうか、犯罪ものっていうんですかね?こういうのって暴力的だったりアクション中心だったりするかと思うんですが、今作の場合は緻密に計算された頭脳プレーが爽快でした。 VOGUEが主催するメットガラがメインの舞台となっており、最初メットガラって言われてもピンとこなかったんです

          オーシャンズ8

          ピッチパーフェクト

          [ネタバレ含みます] 公開 : 2012年9月28日 監督 : ジェイソン・ムーア ジャンル : ミュージカルコメディ ミュージカルってだけで惹かれるものがあるんですが、これも例に漏れず好きな感じでした。 映画だから誇張されてるとは思いますが、アメリカの大学ってこんな感じなんですかね?ビッチ、ファックは飛び交うし、大っぴらにセックスって単語が使われるのにビックリしました。まぁ、全部同じか。恋愛とか性に対する考え方が日本とはだいぶ違うよなって思いました。 劇中ではアメリ

          ピッチパーフェクト

          レオン

          [ネタバレ含みます] 公開 : 1994年9月14日 監督 : リュック・ベッソン ジャンル : アクション 周りにこの映画が好きな人が多かったので見てみたのですが、結論から言うと面白かったけど私はあまり好きではなかったです。ちなみに完全版を見ました。 ロリコンを正当化してるみたいな批判があったりしますが、そういう所ではなくて、マチルダに普通にイライラしてしまったというか・・・見た目は子供中身は大人的に言われてるみたいですけど、私にはちょっとませた年相応の女の子にしか見え

          レオン

          シザーハンズ

          [ネタバレ含みます] 公開 : 1990年12月7日 監督 : ティム・バートン ジャンル : ファンタジー 何も知らない時にスウィニートッドとシリーズ物だと思ってたんですが、全く別物でした。ジョニーデップの演じ分けは本当に圧巻ですね。スウィニートッドと同じ人が演じているとは思えないし、シザーハンズの中だけでも周囲から愛されている時と遠ざけられている時のエドワードの印象が全く違いました。ロボットでもなくサイボーグでもなく「作られた人間」という絶妙な設定を見事に肉付けしてい

          シザーハンズ