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【読書】『たくさんのふしぎ』を読む

 『光る石 北海道石』トークショーに参加してから、月刊『たくさんのふしぎ』が気になって仕方がありません。丁度夏休みなので、図書館で『たくさんのふしぎ』2冊と『石は元素の案内人』の計3冊を借りてきました。

 そもそも『たくさんのふしぎ』とは、福音館書店が毎月刊行している雑誌で、HPには以下のように書かれていました。

"自然や環境、人間の生活・歴史・文化から、数学・哲学まで。あらゆるふしぎを小学生向きにお届けする科学雑誌「たくさんのふしぎ」。第一線で活躍する研究者や専門家が、世界にあふれるふしぎを、子どもたちが自ら感じ、考え、理解していけるよう導いていきます。"

「たくさんのふしぎ」HPより

 小学3年生以上を対象にしているそうですが、その専門性の高い内容には大人のファンもたくさんいるのだそうです。私もその1人になりつつあります(まだ入口に片足のつま先をほんのちょっと入れたくらいですけれど…)。
 そして、田中陵二さんのトークショーを聴いて絶対に読みたいと思っていた『石は元素の案内人』も、実は『たくさんのふしぎ』の2022年8月号をハードカバーにしたものだったことが分かりました。借りてきた本の表紙に「たくさんのふしぎ傑作集」と書かれていてとてもびっくり!『北海道石』は田中さんにとって2年ぶり2回目だったのですね。

●「たくさんのふしぎ傑作集」だった●

 図書館で借りたの「たくさんのふしぎ」は、「はじめちょろちょろ中ぱっぱ」と「ウンム・アーザルのキッチン」の2冊です。
 HPに「第一線で活躍する研究者や専門家」が書いていると載っていましたが、前者はジャーナリストの森枝卓士さん、後者は文化人類学者の菅瀬晶子さんが書いたものでした。どちらも知らないことばかり載っていて、とても興味深い内容でした。

 『はじめちょろちょろ中ぱっぱ』で一番おもしろかったのは、「自分で作ってみよう!」というページです。100円ショップで売っているご飯を炊く容器で簡単に炊くことができる現代。それを利用して、お米と好きな具材を入れてオリジナルのご飯を作ろうというのです。炊き込みご飯を作るときは必ずレシピを検索している私にとって、「自由に」「楽しむ」という言葉は新鮮でした。大量に炊いてしまうと「失敗した!」というときに大変なことになりますが、ちょっぴり炊くのであればたくさん実験ができますね。私もやってみたいです。

●「たくさんのふしぎ」より●

 『ウンム・アーザルのキッチン』では、中東で少数派宗教を信仰する苦しさ、紛争の多い地域での暮らし、そこで前向きに明るく生きる人々が描かれていました。アラブ人が金曜日に食べる「ムジャッダラ」、レンズ豆や小麦のひきわりなど、なじみの薄いものが入っていて得意ではない気がしますが、一度食べてみたいと思いました。「あとがき」と同じ役割でしょうか、最後の「ふしぎ新聞」というページには著者の言葉が載っていて、イスラエルで暮らすキリスト教徒アラブ人の苦労について触れられていました。これは子ども向け?それとも大人向け?というくらい深く考えさせられる内容だったのが印象的でした。

 すっかり『たくさんのふしぎ』ファンになった私は、定期購読も視野に入れています。最新刊のテーマは「昆布」だそうで、これもまた気になっています。石を見に博物館に行きたい、「たくさんのふしぎ」を読みたい、いろんなご飯を炊きたい…夏休み中に全てできそうにはありませんが、世の中への視野が広がった気がしています。

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