見出し画像

6月の読書~中年が勇気をもらった8冊~

6月の読書記録を残す。マンガはカウントしていないので、表題写真の「【推しの子】」はここでは対象外。でもめちゃ面白い。
今回紹介する8冊中7冊が図書館で借りた本。
多読を始めて3年目、紙本購入⇒電子書籍購入⇒図書館、と推移している。

①妊娠・出産をめぐるスピリチュアリティ(橋迫瑞穂)

なぜかフェミニスト系の世界に関心を抱く私が6月の最初に選んだ一冊。

現代の日本においてスピリチュアリティが市場を獲得し、妊娠・出産の現場にかなり食い込んでいることを知る。
スピリチュアリティに勇気づけられる女性が後を絶たないのは、それが女性に多くの負担を強いる妊娠・出産を何とか前向きに捉える手段だからだ。
そしてそこでは「男性」の存在はスルーされ希薄であるのが印象的である。
「スピリチュアリティ」ということもあって、ここで紹介される様々な団体・研究者の活動や考え方はかなりデリケートな内容であるが、恣意的にならず、あくまで客観的に解説している(と思った)著者の力量に感服する。

岐阜(実家)のカリカリに焼いたうな丼をお供に


②フランスの高校生が学んでいる10人の哲学者

フランスの高校では哲学が必修で大学入試試験では4時間の筆記試験が課せられる。そのための受験参考書が本書。
単なる解説書ではなく、自ら主体的に読解することの重要性、つまり哲学の自由と喜びを見出そうとする。高校の倫理社会で学習した記憶はあるものの目的は受験対策のみ、私はカントやサルトルについてフランスの学生と議論する力量はない、それが現実である。
そしてここで紹介されるのは歴史的な制約・限界の中で思考する哲学者たち、それもまた哲学なのだ。

推しグッズとともに


③誤解なくニュアンスまで伝わる77のルール テキストコミュニケーション力の基本(小澤美佳)

小澤さんは、Twitterで繋がった縁でfacebook友達申請させてもらった方。
株式会社ニットの広報の兼業で会社を立ち上げ、今や社長業をされている。
直接お会いしたことも会話したこともないが、発信される様子から見える姿はとにかくエネルギッシュであり、仕事への情熱を感じる

35年前、新卒で入社して学んだのは「電話応答」「FAXの送り方」だった
チャットで瞬時にやり取りができる世の中になったことは隔世の感がある。
が、ルールなきまま発達したテキストコミュニケーションは時にSNSで炎上騒ぎを起こしたり人を追い込む手段にもなる。
そんな「テキコミュ」に特化してスキルやルールを学ぶ貴重な一冊。
そこにあるのは「気持ちよく働くためのヒント」
今日から言葉の温度まで相手に伝えられる!...たぶん…

三島由紀夫「レター教室」とともに


④不機嫌な女子社員とのつきあい方(北山節子)

図書館でタイトルに惹かれて笑、借りた一冊。
事例紹介される28タイプの事例は誰もが「あるある」と感じるものなのである。一方でジェンダーに関わらず「厄介なおじさん社員」と読み替えられそうな事例もあった印象だが、いずれにしても男性脳/女性脳の特性も理解しつつ、全体として良いチームを作っていくことが大切なのだろう。
組織力強化のため、どんなにめんどくさい人にも「いいところを見つける」才能・めんどくさい努力が必要なのだ。(疲れそうだけどな・・・)
アパレル販売の最前線で多くの女性社員と向き合ってきた著者は、何よりも人間愛に溢れる「傾聴力」「共感力」の達人である。
自然に「キャリアコンサルタント」ができている1人なのであろう。

おじさん本に囲まれて


⑤「ない仕事」の作り方(みうらじゅん)

「ゆるキャラ」「マイブーム」の名づけ親の著者がこだわるのは「誰もやっていない領域」に「自分をなくす」ほどに夢中になって取り組むこと。
自称「1人電通」として自身を商品に見立てた究極のマーケター、現代のドラッガーである(個人の感想です)。キワモノの印象が強かったが、やっぱりキワモノ。ただしタダのキワモノではないことを知った。
それにしても、その領域はあまりにもニッチでくだらない笑。
自分のやりたいことに向け模索中の自分へ、意外にも?みうらじゅん氏に勇気づけられた次第である。以下、引用文

人生どうなるかなんてわかりませんが、ひとつはっきりしていることは、他人と同じことをしていては駄目だということです。
なぜかというと、つまらないからです。
皆と同じ人気職種を目指し、同じ地位を目指すのは、競争率も高いし、しんどいじゃないですか。それよりも、人がやっていないことを見つけて達成するほうが、楽しいじゃありませんか

みうらさん、わかりました。

メルモちゃんのキャンディとともに


⑥夜と霧(ヴィクトール・E・フランクル)

アウシュビッツ収容所の生還者である筆者が、心理学者の立場で収容者と自分自身の心境と内部の様子を克明に記す。
「極限の人間の心理」を通じ「生きるということはなにか」というテーマを投げかけ人間の本質を理解する。
重い内容だが、逆風や逆境のときこそ、読み返したい一冊である。
それは転職活動で悩む?今・・・
「自分を客観視」メタアプローチはとても参考になり、今から実践したい
それにしてもアウシュビッツから生還するのも奇跡なら、それが心理学者だったというのも奇跡である。

キャリコンの勉強で知った著書
やはり撮影は夜・・・


⑦バッタを倒しにアフリカへ(前野ウルド浩太郎)

全身バッタまみれになったら、あまりのかゆさで命を落としかねない。それでも自主的にバッタの群れに突撃したがるのは、自暴自棄になったからではない。子どもの頃からの夢、バッタに食べられたいを叶えるためなのだ。

こんな出だしで始まる何とも奇妙な表紙の一冊。
ふざけているのかと思えば、ふざけてはいるが笑、そこにあるのは研究者として、いや1人の人間として夢を追う情熱の大切さ。夢と情熱を持つことは、こんなに人生を楽しくするのだ。もう一つ引用

夢を語るのは恥ずかしいけど、夢を周りに打ち明けると、思わぬ形で助けてもらえたりして流れがいい方向に向かっていく気がする。
夢を叶える最大の秘訣は、夢を語ることだったのかなと、今気づく

うん、夢を語ろう。

友人からいただいた、てんとう虫があしらわれたお菓子とともに


⑧世界「失敗」製品図鑑 「攻めた失敗」20例でわかる成功への近道(荒木博行)

最後は、Voicyでファンになった方の著書を始めて読ませていただいた。
かつての20テーマの懐かしい?失敗を分析した一冊。
事業の成功への近道は「成功体験」ではなく「失敗経験」で学んだ「避けるべきこと」。そして「チャレンジ」と「失敗」はセットメニューであり、単品注文はできない

人生も同じである、さあ失敗するぞ!(違う?笑)

笹串だんご、おいしゅうございました


以上、6月の読書記録を最後まで読んでいただき感謝します。
例によってジャンルもバラバラで「勇気づけられよう」と思って選んだわけではなかったのですが、感化されやすい私は見事にエネルギーを注入されました。
これからも「本との偶然の出会い」大切にしていきたいと思います。

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集