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外国人との会食から学んだこと

今週私の働く会社にはイギリスからの
来訪者が来ている。

来訪者と言っても顧客ではなく
グループ会社の社員であるが、
せっかくの機会なので昨日は彼らと
食事をしようということになった。

1人は3回目の来日、他2人は2回目の来日ということで
全く初めてではないものの
彼らはまだ不慣れな様子。

しかも、アレルギーや好みの関係で
食べられないものがかなりある。

店選び、メニュー選びが悩ましい人たちである。

それならば居酒屋がいいかと思い
前回来日時に居酒屋に連れて行ったが
どれもThat's日本食な味付けが
どうやら彼らの舌には合わなかったらしく
あまり食が進んでいなかった。

そこで、今回は日本に来ているにもかかわらず
中華料理に連れて行くことにした。

だが、中華料理も発祥は中国であるが
現地で食べる料理とはかなり違うので
ある意味日本料理の一部と言えなくもない。

店に入るまでに彼らにそのように説明して
食事がスタートした。

ややフォーマルな感じと
カジュアルの両方の要素を
あわせもつような店だが、
リーズナブルな値段設定だったので
安心して注文する私。

到着した料理に目を丸くしながらも
興味を示す彼ら。

頼んだメニュー全てを食べてくれたわけではないが
前回の居酒屋よりもずっと箸も動いており
会話も弾んでなかなかいい会食である。

そんな食事も1時間を経過したころ、
ふと私は思い立って
ゴマ団子と大学芋を注文した。

なんとなくこれまで好んで食べたものから
彼らが好む食べ物の傾向が見えて、
その条件にこれらがバッチリ合うと
思ったからである。

最初に運ばれてきたゴマ団子をみて
「なんじゃこりゃ?」という顔をする彼ら。

中に豆のジャムが入った餅にゴマをつけて
揚げたもの。

こんな説明をすると
これまでにはないスピードで皿が空になった。

私の読みはドンピシャである。

そうして次に運ばれてきた大学芋も
美味しいといって喜んで平らげて
会はお開きになったのだが、
彼らはとても満足そうであった。

彼らが何を好むか想像することは難しい。
しかし、しぐさや会話の中にヒントは隠れている。

昨日はそのヒントから好きなものを
類推しようとしたからこそ
上手く彼らの好みに合致した料理を
選ぶことができた。

この類推は仕事をするうえでも
大切なことではないだろうか。

顧客が求めるものは必ずしも
直接的な言葉で投げかけられるわけではない。

間接的に発せられた言葉に
そのヒントが含まれていることもあるし、
何なら顧客自身が何を求めているのか
自覚していないことはよくある話である。

そんなニーズを掘り出していくには
やはりこちらから投げかけをしなくてはならない。
そして、投げかけたものへの反応を見て
少しずつアウトラインを明確にして
答えを類推する。

それが着実にできる組織や人は
間違いなく売り上げもあげることができるし
顧客からも信頼される。

嬉しそうにホテルに帰っていった彼らを見送って
何となく私のスキルも少しは上達したような気がして
嬉しい気持ちで帰路に就いた。

ちなみに、彼らの反応を見ようとするあまり
私はほとんど料理を食べていなかったらしい。

帰宅してから「グーッ」となったお腹が
私にそのことを教えてくれた。

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