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「3」と言わないだけで差別化できる可能性がある

みなさんこんにちは。
北海道・若手治療家コミュニティの
花田隼人@hokkaido_wakate)です。


今日は「ブランディング」のお話です。


「10回3セット」

運動指導の時にそう言ってませんか?


「3回通ってください」

初期の連日通院指導を、そう伝えてませんか?


それ非常にもったいないことしています。

あなたが「3」という数字を使えば使うほど
指導した内容の価値が損なわれていきます。


いったいなぜでしょうか?


この記事では、

  • 「3」をオススメしない理由

  • ブランディングに有効な数は何か?

  • 発声学から何を考えるか?

についてお伝えします。




「3」が安っぽく聞こえる理由


ものすごくタイプの異性から
「今まで何人と付き合ってきたの?」
と尋ねられたとして、


なんとしても好印象を与えたいあなたは、
何人と答えますか?


多くの場合、

3人  か  5人

に回答が集中すると思います。

実際の数字を回答する正直者も
少なからずいるはずですが、

実際より大きく盛る、
少なく報告する、

どちらにとっても都合のいいポジションに
この「3」や「5」という数字はあります。




「嘘の五三八」


日本人にとって
「5」「3」「8」は
好んでよく使われる数字で、

「嘘の五三八」と呼ばれます。

仮に「0」から「10」までの数字から
いずれかを選ぶシーンに立たされたとき、

数字の極端さが表れてしまう
「1」「10」が選ばれず、

また先ほどの「過去の交際人数」においては
「交際経験無し」を意味してしまうように、
「0」も選ばれにくくなります。

残る「2」から「9」の中で、

10進数に対して半分を示せる「5」
「1」から「5」の中間である「3」
「5」から「10」の中間である「8」

以上3つが
現実味のある数字として感じやすく
嘘をつく時に使い勝手がいいわけです。

嘘をつくとき以外でも、
「三大●●」「特徴5選」などに用いられるように「3」と「5」は、物事を理解し扱いやすくするために用いられます。また「8(八)」は、日本においては末広がりを意味する縁起の良い数字とされます。

つまりこの「3」「5」「8」は
非常に商用利用されやすい数字だということです。




子供が嘘をつく様子から学ぶ


嘘をとっさにつくときに
「3」「5」「8」が使われやすい
ということを前項では述べました。

嘘の加減を知らない
子供が嘘をつくときはこれに

「100」「1億」「300万」
「ひゃくまんおく」なんかが加わりますので
とても分かりやすいですよね(笑)

嘘の加減を知らない子供でも
現実味のある数字に落としたい大人でも
「2,4,6,7,9」が使われないのには、

「発声様式」によるものだと、
花田は考えています。




「ア(a)」の発音


母音ア(a)による発声は非常に難易度が低く、
原始的なものといえます。

アの発声は簡単で、
ただ下顎を縦に開いて声帯を揺らすだけです。

口の形を変えるための表情筋の参加や
舌の複雑な活用も不要です。

このア(a)、またオ(o)は
舌が前方に位置する「前舌母音」と呼ばれ
非常に発声しやすい母音です。


大人がため息をつくときなどに無意識に出す音は、「ア」に近い母音が多いのではないかと思いますが、これは口の周りの筋肉や唇、舌などに力の入っていない、楽な状態で発音されているかと思います。疲れた1日の終わりに湯船に入ったときに、ついつい発してしまう声を想像してみてください。大人が楽に発音できるこの音は、子どもにとっても発音しやすい音といえます。


最初の一語―なぜ母親は「ママ」、父親は「パパ」なのか―増田 桂子/中央大学商学部准教授


子供が生後6週目ごろから
「アー」「ウー」と母音のような音を
発声し始めるように。

生後4〜5ヶ月ほど経過すると
「ダーダー」といった
意味を持たない複数の音節をもつ
「喃語(なんご)」を発声するように。

そして1歳ごろになると
ご飯を指して「マンマ」
犬を指して「ワンワン」と言える
「一語文」が始まるように。

「ア(a)」は非常に簡易に発声できる音です。





イ(i)ウ(u)の発声の特殊さ


残るイ、エ、ウについては、

イとエは「後舌母音」と呼ばれ
口腔前方にスペースを作り、
口腔後方を狭くすることで発声しています。

そこに、
「イ」は口角を横に引く頬筋を動員し
口を横に広げることで(i)の発声を作ります。

「ウ」は口をすぼめる動作を必要とし口輪筋を動員します。舌の位置は中間程度であり「中舌母音」と呼ばれます。

イエウ、特にイとエに関しては発声に際してアクションが多くなるのが難点です。




発声しやすい数字はどれか


では、この母音別の発音難易度を見たうえで
改めて数字の読みを確認しましょう。

※「回数」と「人数」の活用に合わせています。

「1」・・・「いっかい」「ひとり」
「2」・・・「にかい」「ふたり」
「3」・・・「さんかい」「さんにん」
「4」・・・「よんかい」「よにん」
「5」・・・「ごかい」「ごにん」
「6」・・・「ろっかい」「ろくにん」
「7」・・・「ななかい」「ななにん」
「8」・・・「ちかい」「ちにん」
「9」・・・「きゅうかい」「きゅうにん」
「10」・・「じゅっかい」「じゅうにん」

となります。

「ア(a)」で始まる「7」は、「な+な」の連続のため、舌を上口蓋に二度打ちつける必要があり、発音上ややアクション数が必要になる特殊性があります。

この7を除けば、

他の数字に比べて、
「3」がいかに発声されやすい音であるかが
お判りいただけたかと思います。

舌を前方に位置させるアの口のまま、
少し空気の出口を舌で妨げて(s)を発声させ
声帯を震わせることで「サ」となり、

あとは口を閉じるだけで
「ン」ができてしまうわけです。

とっさに嘘をつかなければならない状況で
「3」が選択されやすいというのは
「発声しやすい」という理由も隠れているわけです。




「3」と言わずに「××」と言え


ありふれた、選ばれやすい数字に
新鮮味や専門性は感じにくくなります。

またオ(o)については、「4」も「6」もオ(o)であるにも関わらず、「5」のように用いられません。それは「5」が10進数の半分であるという特殊性から使われやすい点と、4が「死」などの不吉さを連想させる点に由来すると思われます。「オ(o)」を先頭母音とする数字は、発生やすい音ではあるものの、文化的な背景からとっさに出てきにくいのです。


そうなると

特異的な数字、
専門的な統計のもとで示されている数字
と感じやすいのは

「4」であったり
「7」であったり
「9」が使われたときではないでしょうか。



「この運動は9回やりましょう」
そう治療家に言われれば、

「なぜ10じゃないの?」と
疑問を持たれる流れになります。


「4回続けて来てください」
そう治療家に言われれば、

「そういうデータがあるのね」
という印象を“数字に対して”抱きます。


専門的裏付けの存在を
潜在的に感じるわけです。


「3回来てください」
「3回やってください」に
そんな効果はありません。

「3」は説得力に欠けるわけです。
「3」にブランド性はゼロなんですね。


正しくとった統計の数字というものは
いつだって「半端な数字」です。

キリの良い数字であるほど
よく聞く数字であるほど
その数字の信憑性が低下します。


どうでしょうか。
これでもまだ「10回3セット」って言いたいですかね?


何回やると本当に効果的か?

まずは自分で統計を取ってみるところから
始めてみてはいかがでしょうか。

きっと「3」ではないでしょうから。


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