見出し画像

手のひらの歌9

「医食同源」とは、「食べ物は薬」という考え方で、そのための食事療法が、「薬膳」である。からだの自然治癒力を強めるために体質を改善して、健康な身体をつくっていく。
 食べ物の意義の第一は、生命を維持するためで、第二は、おいしいものを味わって楽しむことである。健康も病気も、自分が作る。明日にむかって生きるために、よし、元気をつくろう。

 医食同源(いしょくどうげん)とは、日頃からバランスの取れた美味しい食事をとることで、病気予防して、治療できる、とする考え方である。

「医食同源」という言葉は、中国の「食薬同源」の思想が、1973年に日本に伝わってきた時に、日本人が作った造語である。「医食同源」は、2000年代から発想の元になった中国へ、逆輸入されている。

 初出は1972年、NHKの料理番組『きょうの料理』の特集「40歳からの食事」において、臨床医の新居裕久が発表したものである。

 これは健康長寿と食事についてのもので、中国に古くからある薬膳の、「食薬同源」を紹介するときに、薬では化学薬品と誤解されるので、「薬」の漢字を「医」に代えて、拡大解釈したものであると新居裕久は述懐している。

 この「医食同源」という言葉は、1990年前後にはすでに一般で使われていて、その思想も健康ブームなどによって、広く受け入れられてきたものと考えられる。

関連する言葉や文化
 汝の食事を薬とせよ、汝の薬は食事とせよ。食べ物で治せない病気は、医者でも治せない - ギリシャの医師ヒポクラテス

 古代ギリシアの医者カリュストスのディオクレスは、夏には食事を温めたり乾燥させるのを止め、冬には冷やしたり湿らせてはいけないと述べている。

 中国最古の医学書『黄帝内経』には、「どんな病気を治療するにせよ、必ず日常の食事についての問診が必要である」「空腹を満たすときには食といい、病を治すときは薬という」という記述がある。

 中国の時代の諸制度を記した『周礼』には、皇帝に健康を考えた食事を作る食医という制度があった。元朝には、飲膳太医という役職が置かれていた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?