織田信長、消防士の編
織田信長は現代で消防士をやっていた。火を操るのではなく、火を消す方だ。だが、それがまた妙にしっくりきている。朝、消防署の詰所に入ると、そこには信長の上司である明智光秀がいた。タイムスリップ先でこんな再会があるなんて誰が予想しただろうか。
「信長、今朝も異常なしだな」と光秀は無駄に厳しい表情で言った。相変わらず眉間にシワを寄せたまま、書類を持ってこちらを見下ろしている。どうにも好きになれない表情だ。信長は軽く敬礼しながらも、内心「もっと笑えよ」と思う。いや、笑われても逆に怖い