江田初穂

福岡県北九州市。認定NPO法人抱樸で働いています。元国税職員。

江田初穂

福岡県北九州市。認定NPO法人抱樸で働いています。元国税職員。

最近の記事

織田信長、消防士の編

織田信長は現代で消防士をやっていた。火を操るのではなく、火を消す方だ。だが、それがまた妙にしっくりきている。朝、消防署の詰所に入ると、そこには信長の上司である明智光秀がいた。タイムスリップ先でこんな再会があるなんて誰が予想しただろうか。 「信長、今朝も異常なしだな」と光秀は無駄に厳しい表情で言った。相変わらず眉間にシワを寄せたまま、書類を持ってこちらを見下ろしている。どうにも好きになれない表情だ。信長は軽く敬礼しながらも、内心「もっと笑えよ」と思う。いや、笑われても逆に怖い

    • サラリーマン金次郎

      金次郎は、現代のサラリーマンだ。二宮尊徳として知られる彼も、時代の波に逆らえず、今では満員電車に揺られて出勤している。もちろん、トレードマークの薪は手放せない。だが、さすがに電車の中で背負うのはマナー違反だ。そこで金次郎は、その薪を前に抱えることにしている。 (これが、俺の勤勉さの象徴…だったはずだけど…) 電車に乗るたびに、前に抱えた薪が何かと邪魔になる。周りの乗客たちは、無言の圧力をかけてくるが、金次郎は決して動じない。ただひたすらに前を見つめ、黙々と立ち続ける。

      • アインシュタインの保育士論

        アインシュタインは、なぜか現代で保育士をやっていた。いや、もっと研究とかしてそうなイメージじゃない?でも彼、今は砂場で子どもたちと遊んでいる。 「アインシュタイン先生!お砂場でお城作ろうよ!」 先生呼びされるたびに「俺は一応、相対性理論とか提唱してるんだけどな…」と思いながらも、彼は何事もなかったかのように子どもたちに付き合っている。ちっちゃいシャベルを握るその姿、誰が想像しただろうか。 「君たち、砂の粒子ってね、宇宙の…」 「先生、こっち!こっち掘って!」 もちろ

        • あのベルがWeb会議ツールを使ったら

          ベルは、Zoomの画面越しに世界中の人々と繋がっていた。そう、あの「電話の発明者」アレクサンダー・グラハム・ベルである。そのベルが今はZoomを使ってオンラインで講義をしている。なんとも不思議な光景だ。 「皆さん、こんにちは。今日は、私が電話を発明したときの話をしましょう。」 画面の中のベルは、歴史的な偉人というよりも、むしろ近所の親切なおじさんのような雰囲気で話し始めた。だが、そこに漂う微妙な違和感。何かがズレている。まず、彼はPCの前に座っているが、なぜか明らかに使い

        織田信長、消防士の編

          税務署仕事術:こより

          みなさん、仕事で「こより」を使ったことがありますか? こよりとは、和紙を細長く切って糸のようによりをかけたもののことです(コトバンク)。 ほとんど見かけない「こより」、私が税務署で働いていた頃は、よく使っていました。何に使っていたかというと、税務調査後の書類のファイリングです。 普段は、申告書や関連書類はホッチキスで留めます。分厚いものは、当然サイズを大きくして大きなホッチキス。ところが、税務調査に関わる書類だけは、なぜか「こより」で束ねていたのです。これが全国的な慣習な

          税務署仕事術:こより

          税務署仕事術:ホッチキスの打ち方

          複数の紙をまとめるホッチキス。あなたは、どの角度で打つだろうか? 最近、仕事で資料を作っていた時に、ホッチキスの打ち方が話題になった。私は、長辺に沿って2カ所、もしくは縦置きにして左上1カ所に打つタイプだ。針の角度は長辺に合わせてまっすぐ。これは、税務署時代の先輩の教えによるもの。 正直、ホッチキスの打ち方なんて好みの問題だから、どんなやり方でも構わないと思っている。事実、かつての私は上司が変わるたびに「ホッチキスの打ち方も知らんのか。こうだろう」と叱られ、毎年ホッチキス

          税務署仕事術:ホッチキスの打ち方

          キントーンの“ノーコード”と、それなら専門家の必要性は?

          学んだことメモ。 抱樸はサイボウズのキントーンを使っている。アクセスで支援記録をためていたところ、バージョンアップで動作に不安を感じはじめた時に出会い、以後様々な検討・サポートを受けながら移行が進んできた。 そんなキントーン。 先日、サイボウズの方とお話しをさせていただく機会があり「なるほど」と思ったこと。 “ノーコード”をうたうサービスはいくつもあるものの、主に開発サイドをノーコードで支援するのか、コードが分からないエンドでもノーコードでデータベース(キントーンではアプ

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          「塔の上のラプンツェル」のお母様は責められる存在なのか

          画像出典:https://www.disney.co.jp/studio/animation/1090 どうでもいい話。 ディズニーのプリンセス作品「塔の上のラプンツェル」。 主人公ラプンツェルの育ての親は、悪い存在として描かれています。 赤ちゃんのラプンツェルを誘拐したり、ラプンツェルをだまして塔に閉じ込めたり、ラプンツェルを連れ戻しに来たユージーンを刺したり。 (うーん、字面で見るとやっぱり悪いかも) が、「ちょっと待て、すべて悪か?」という話。 導入部分で語られる

          「塔の上のラプンツェル」のお母様は責められる存在なのか

          「ミラベルと魔法だらけの家」の魔法設定が考えられているなと思う話

          画像出典:https://www.disney.co.jp/movie/mirabel どうでもいい話。 ディズニーの「ミラベルと魔法だらけの家」には、魅力的な魔法の力の数々が。 でも、中にはなんの役に立つの?と思う力もあります。 が、「侵略者から家族を守る」と考えれば納得できる力と順番。 勝手な勘違いかもしれませんが、考えられてるなと感心してしまった。 ちなみに、ミラベルが家族の力をうらやましがる歌(奇跡を夢みて)では、触れられた力とそうでない力が。力の評価って場面によ

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          「ミラベルと魔法だらけの家」のラストがもやっとする

          画像出典:https://www.disney.co.jp/movie/mirabel どうでもいい話。 ずっともやっとしていたこの件。 このためにnoteアカウントをつくったと言っても過言ではない。 それはいいとして。 ディズニーの「ミラベルと魔法だらけの家」。 2021年に公開され、Amazonプライムでも視聴できたので、ご存じの方も多いのでは。 ディズニーのDVDをかなり揃えている我が家。その中でもこの作品はお気に入りです(とくに自分が)。 が、ラストだけがしっく

          「ミラベルと魔法だらけの家」のラストがもやっとする