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八朔書房

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自分の趣味、専門分野、ついさっき考えたことなど、 八朔会の皆さんが寄稿してくださった記事を雑誌のようにまとめています。
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#自由律俳句

自由律俳句9

ホームレスが線香花火見ていた終戦記念日 優しさが魚の醤油差しのかたちしている 在庫補充中…

よしのき
2年前
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自由律俳句8

サンドイッチではなくパニーニだと あえて定石を打ったという体 ネジ持ってホームセンターで…

よしのき
2年前
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自由律俳句7

ドアノッカーは使わない人生だ 駅徒歩十分墓至近 鴉が散らかして人が片付ける もらった水無…

よしのき
2年前
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自由律俳句6

飛行機雲を見る子供につられて プールサイドにモップは萎びて居る 水たまりの深いところに傘…

よしのき
2年前
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自由律俳句5

リズム良く生垣刈り揃える音ひびく 薬味中心の食生活である夏 それは祇園ではない ミネラル…

よしのき
2年前
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自由律俳句4

映画観たあとだけの優しさ 「歩行者優先」の親子が雨に打たれている 蟋蟀と鈴虫の待遇が異な…

よしのき
2年前
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自由律俳句(と散文)3

夕涼みに木魚が響いた 兵児帯の金魚が夜店を泳ぎゆく 月極ガレージの中で咲く花よ 川の中に親子があって川 蛙啼けば風一つ涼し 派手なポテトを持って笑っている少女 --- ぐるぐると螺旋状に巻かれた異形のポテトや、原宿みたいな原色の綿飴を持った少年少女達が笑っている。 パァンッ。乾いた射的の音が森に響く。 両親に連れられた小さな女の子の、浴衣の赤い兵児帯が金魚のように揺れている。金魚は夜店の中を自由自在に泳ぎ回る。金魚の尻尾が人混みの中に消える。 「次何食べるっ?

自由律俳句(と散文)2

さるかに合戦のうすみたいな存在 ここにもさざれ石の由来の岩 サーキュレーターにきな粉がや…

よしのき
2年前
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違う傘で帰ってきた

買い物を終え外に出ようとして、はたと手が止まった。自動ドアの横に置かれた傘立てには、大小…

よしのき
2年前
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自由律俳句

キーボードの上を通るリズム風 繁華街を燕が過ぎていった 増水して用水路も轟く 腐葉土にな…

よしのき
2年前
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