自由律俳句
キーボードの上を通るリズム風
繁華街を燕が過ぎていった
増水して用水路も轟く
腐葉土になりかけているところだ
まずは肯定から入った
皿が割れたもう全部だめだ
ハンガーを振りかぶって笑う人
墓石に朝露がおりる
命爆ぜる誘蛾燈よ
ボタン押して目の前の店員が来た
雪渓の由来に無理がある
漬物と珈琲が並んでいた古里
着眼点でもう負けている
姿見がどこにもない
Tシャツだった布で磨く
誰も満月を見ていない交差点
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暑さとか仕事とか選挙のあれやこれやでなんだか疲れてしまった。
疲れていることに気づいてからは、なるべくのんびりすることにした。たまに涼しい夜があると、仕事の勉強はそこそこにして、ぼんやりと近所を散歩している。
糺の森に入ると、湿った土と木と川と草叢の匂いが立ち込めてくる。そろそろ蝉の羽化が見られる頃だと気付く。
まだまだ夏は長い。けれどたまに吹く涼しい夜風があるので、人間何とかやっていける。そんなものだと思う。
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