家屋解体の現場の半地下倉庫の中に生首が三つ置いてある。 窓ぎわに置かれたそれらはどれも色白で崩れる事のない端正な顔立ちだ。ガラスは摺りガラスなので外からは見えない。たぶんおそらくだが、そこに留まってかなりの時間は経っているのだと思うが一筋の蜘蛛の糸さえからまっていない石膏像の首。