自分自身は若返らなくても、周りの友人や親戚が若かった頃に戻りたい、とはよく思う。 山田太一さんの「異人たちとの夏」では、中年の主人公が、とうに亡くなったはずの若き日の両親と出会う。「シューレス・ジョー」もそういう物語だった。常世との扉が開いた空間に、私も一度、飲み込まれてみたい。