死者からの声～映画『Field of Dreams』～

“If you build it, he will come.”

ある日、自宅のトウモロコシ畑で不思議な声を聞いた主人公。

「それを作れば、彼は来る。」

最初は空耳かと思うが、何度となく声を耳にするうちに気づく。

これは自分に託されたメッセージだということに。

周りは笑って信じないが、このまま何もせずに人生を終えたくないと、家族を説き伏せ、声に従い行動を起こしていく。

その先に待っていた世界は…

子どもの頃、偉人の伝記などで読んだ『神の声を聞いた。』という話。

例えば、『神の声』に導かれるようにして、看護師の道に進んだナイチンゲール。

聞こえる人には聞こえるらしい不思議な声。

そして、それは何か大きな使命を与えられた人にしか聞こえない声。

そんな声など、知らん顔してやり過ごす道もある。

けれど幾度か聞くうちに、『何か自分に課せられているのでは…？』と気づく否か…

導きのような死者からのメッセージ、それに従って進むか否かの人生の選択、その結果知った若き日の父親の姿、そして溶けていく頑なだった心。

現世と黄泉、生者と死者、過去と現在を繋ぐ広大なトウモロコシ畑。

その畑を中心に、繰り広げられる物語。

そこは、見える人にとっては、心の在り方まで変えてしまう不思議で懐かしく、そして優しい世界。

そして、希望の地。