「イメージする妄想力」でパフォーマンスを高める。
スポーツメンタルコーチ橋本(@hashimotoyuro)です。
突然ですが、『妄想』は好きですか。
私は大好きです。よく趣味で多摩川沿いの河川敷でサッカーボールを蹴っているのですが、新しい技に挑戦するときやうまくいかない技があるときは、よくその技ができている妄想をします。
妄想とは言いましたが、はやい話『イメージトレーニング』ですね。
選手とのメンタルコーチングを行う際も、このイメージトレーニングをやってもらっています。
実際にやってもらった選手からは、
「思いっきりプレーすることができた」
「追い込まれても焦らなかった」
という話をいただくことが多いです。
イメトレをしっかりすることが、スキル・パフォーマンスアップに役に立つのです。
ハーバード大学の実験
イメージトレーニングの研究でよく知られている研究があります。ハーバード大学のパスカルレオーネ教授らが1995年に報告した研究です。(http://www.chrisdonnellymusic.com/wp-content/uploads/2012/02/Pascual-Leone1995.pdf)
実験ではピアノの課題を5日間行います。参加者は全員一度もピアノを弾いたことがない人たちで、3つのグループに分けられます。
A:5日間2時間練習するグループ
B:5日間2時間イメージトレーニングだけをするグループ
C:何も練習しないグループ
そして、この3つのグループの間にどんな違いが現れたかを調べてみようというのがこの実験です。実際にどのグループが上達したと思いますか?(答え半分出てるけど…)
簡単にお伝えすると以下のような結果になりました。
この研究のポイントはイメトレをしただけ(といっても普段ならやらない量ですが…)で指の運びがスムーズになり、ミスも減ったということです。
ということは、実際の練習もしながらイメージトレーニングも併用することができたらどうなるのでしょうか…?
イメージトレーニングのポイント
イメージトレーニングの方法ですが、スポーツメンタルコーチ流の3つのポイントがあります。今回はそれをお伝えします。
ポイント①:日にちや場所、天候、イメージする流れなどを決める
実際の試合の日程や場所、時間などをまず確認しましょう。「まだまだ先の日程でわからない」というときは仮にで大丈夫です。あとはその日の天候なども決められるといいでしょう。
また、試合相手がいる競技は相手を決められるといいでしょうし、チーム競技の人は味方もイメージするといいでしょう。
ポイントはイメージをいかに現実に近づけるか。必要な情報は前もって決めておくといいと思います。
ポイント②:五感を使ってリアルにイメージする
人はほ全ての情報を五感から得ています。だからこそイメージの中でもこの五感をフル活用して欲しいのです。
どんな鮮やかな景色が見えるか・どんな音が聞こえてくるか・どんな味や匂いを感じるか・どんな体の感覚があるか(温度や肌の感覚)・どんな体の動かし方をしているか。そして、どんな気持ちを感じているか。
自分の感覚を育てていくこともイメージトレーニングのポイントです。
ポイント③:不利な状況もイメージする。でも…
せっかくイメージトレーニングするんだから自分の理想をイメージする。それもとても重要なことです。ですが、現実場面ではそうならない場合も非常に多いです。だからこそ、ピンチに陥った時もイメージしておくことをお勧めします。
しかしそこで気をつけて欲しいのは、そのまま敗北することをイメージするのではなく、ピンチから巻き返して逆転勝利をするイメージを持つこと。
このイメージを徹底的にやっておけば、いざという時に焦らなくて済みます。
ただ、実際にこれを自分だけでやろうとすると頭がごちゃごちゃになってしまう人も多いと思います…!
ということで、5分間のイメトレができるボイスガイドをご用意しました。
最初のうちは、うまくできない部分があっても大丈夫です。人によっては映像をイメージするのが苦手だったり、やっているうちに音が消えたりすることもあると思います。
そんな方々には心からおめでとうと言いたい。なぜならそこには大きな大きなノビシロがあるからです。
大切なことは継続すること。
そして自分の心の中のイメージを育てること。
ぜひ試してみてくださいね。
【5分】イメージトレーニングボイスガイド
(このイメトレでは①呼吸に意識を向けるパート、②自分を映像としてイメージするパート、③自分の視点でイメージするパートの3パートで構成されています。)
支援していただける方々のおかげで活動できております。いつもありがとうございます。