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長谷部浩の俳優論。

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歌舞伎は、その成り立ちからして俳優論に傾きますが、これからは現代演劇でも、演出論や戯曲論にくわえて、俳優についても語ってみようと思っています。
劇作家よりも演出家よりも、俳優に興味のある方へ。
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2021年9月の記事一覧

【劇評238】街路灯が照らし出す人類の終焉。長塚圭史演出の『近松心中物語』。

【劇評238】街路灯が照らし出す人類の終焉。長塚圭史演出の『近松心中物語』。

 現代演劇として、秋元松代の『近松心中物語』を演出する。

 長塚圭史演出の舞台は、この姿勢に貫かれているところをおもしろく見た。

 一千回以上もキャストを変えつつ上演された蜷川幸雄演出の舞台との比較は、どうしても避けられない。また、秋元自身が、文楽の『冥途の飛脚』を原作としたと明言しているが、現在でも頻繁に上演される『恋飛脚大和往来』(「封印切」「新口村」)もまた、観客によっては強く意識される

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【劇評237】勘三郎が演じていない役を、勘三郎のように演じてみせる勘九郎。七世芝翫十年祭の『お江戸みやげ』。

【劇評237】勘三郎が演じていない役を、勘三郎のように演じてみせる勘九郎。七世芝翫十年祭の『お江戸みやげ』。

 懐かしい演目が歌舞伎座にあがった。

 北條秀司の『お江戸みやげ』は、十七代目勘三郎のお辻、十四代目の守田勘弥のおゆうによって、昭和三〇年十二月、明治座で初演されている。もとより私はこの舞台を年代的に観ていないが、先代の芝翫が、六代目富十郎と組んだ平成一三年、歌舞伎座の舞台を観ている。

 吝嗇で金勘定ばかりしているお辻が、酒を呑むうちに気が大きくなり、ついには役者を茶屋によぶにまで至る話は、大

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【劇評236】仁左衛門、玉三郎。『四谷怪談』は、観客を地獄へ連れて行く

【劇評236】仁左衛門、玉三郎。『四谷怪談』は、観客を地獄へ連れて行く

 急に秋雨前線が停滞して、底冷えのする天気となった。怪談狂言を観るには、いささか寒すぎるせいか、四世南北の描いた冷酷な世界が身に染みた。

 今年の歌舞伎座は、仁左衛門、玉三郎の舞台姿が記憶されることになるだろう。
 玉三郎に限って言えば、二月の『於染久松色読販』、三月の舞踊二題『雪』、『鐘ヶ岬』、四月、六月の『桜姫東文章』上下、そして今月の『東海道四谷怪談』と舞踊を交えつつも、孝玉の真髄を味わう

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