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障害に関わる人達に読んで欲しい本「火星の人類学者」
僕が、ASDは異星人のようだと言うようになった理由は、これから紹介する本がきっかけでした。高校生の時に診断を受けて、何か発達障害について知りたい!と思って本屋を駆け回り、色々ネットで調べていくうちに、ある本と出会いました。
それがこちらの本です。
全色覚異常の天才画家、激しいチックを起こしながら巧みに執刀するトゥレット症候群の外科医、みずからを「火星の人類学者」と感じる自閉症の動物学者……『レナードの朝』で世界中を感動させたサックス博士が、患者たちの驚くべき世界を温かい筆致で報告し、全米ベストセラーとなった医学エッセイの最高傑作。
医学会の詩人とも呼ばれた神経内科医のオリヴァーサックスが実際に7人の脳の障害を持つ人物達の元に出向き、その交流や会話を本にした医学エッセイ。
医学エッセイですが、本当にスラスラ読めてしまう本です。たまに専門用語が出ますが、飛ばしても楽しめます。
全ての章が魅力ですが、今回はタイトルにもなった、自閉症の動物学者の人の話をします。
彼女の名前はテンプルグランディン。高機能自閉症者でありながら、大学で動物学を教えている女性です。作者は彼女の研究室に招待され、彼女に会いに行きます。
この本は結構昔の本で、当時は高機能自閉症者であり、女性というのはかなり珍しい存在でした。さらに大学で教鞭を取っているなんて!?とオリヴァーは興味が尽きません。
彼女と初めて会った時、「ようこそ 遠路はるばる」などの社交辞令や、お茶などを出さず、早速研究テーマについてオリヴァーに話をする様子に、オリヴァーはこれは確かに自閉症者だなと納得します。ますます興味が湧いてくるオリヴァー。
彼女は家畜施設の設計者でした。自閉症特有の視覚優位を用いて描かれる細密な設計図は、すごく目を引くものでした。
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話は彼女がどう生きて生きたのかに移り、彼女は生い立ちを語っているうちに、こう呟くのです。
「私は火星の人類学者のようだ」
この意味を、ぜひ読んで確かめてみてください。
この本に出てくる患者達は、あまり特別支援の中では出会うことのない症例かもしれませんが、オリヴァーと患者との対等な関わり合いは、まさしく特別支援の到達点だと思いました。
脳は人間の可能性なんだなと。脳は面白い。
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