#2 研究所にて【いなかったはずのあなたへ】
記者会見
某時間研究所—
「では、ここから質疑応答の時間とします。」
司会者がマイクでアナウンスした。
記者団から続々と手があがる。
「では、○○テレビの方どうぞ。」
司会者が指名したと同時に若い男性記者が立ち上がった。
「○○テレビです。過去や未来に自由に移動ができる、
いわゆるタイムマシーンは実現可能となるのでしょうか」
会見テーブルの研究者たちの中で、50代手前と思われる白衣の男性研究者が手元のマイクに手をかざした。
「我々の研究所では10年、早くて5年以内の実現を