チェントロカンピスタ

ライター歴30年。

チェントロカンピスタ

ライター歴30年。

最近の記事

ブックライターのお金事情

ブックライターでござい。 これまで100冊以上お手伝いしてきました。 10万部を超えるヒット作にもたずさわってきましたよ。 と、ベテラン顔をしているわけですが、原稿料と重版印税で暮らしを立てていくのはあいかわらず大変です。 雑誌をメインにしていたライター時代、月刊誌、週刊誌の仕事を組み合わせ、取材しては書き、インタビューしては書き、ときに企画を出しては書き、そんなこんな仕事の対価は毎月一定の決まった額として支払われていました。 1本数万円×10本みたいな感じです。 そこに

    • ライター脳内会議

      ライター稼業は1人で経営者兼労働者兼広報官なわけで、日夜3者よる脳内会議が開催されております。 経営者はバンバン仕事をしなはれーと言い、労働者は楽しさと負荷が均等になることを望み、広報官は外聞を気にして対応の仕方に配慮するよう経営者と労働者に求めます。 そこに親業を担う新キャラも登場した後は、脳内会議はさらに混沌。 誰が主導権を握っているのかよくわからない状態になっております。 例えば、ある月に3ヶ月くらい前の経営判断のミスで、かなりパンパンの工数となっていたとしまし

      • 12時半スタートの取材は気をつけろ

        過日、SPA!さんの取材でジャーナリストとの堤未果さんにお話を伺いました。 テーマはズドンと貧困問題。 アメリカで先行して起きた構造的な貧困を作り出す仕組み。 これを日本も追いかけているのではないか。 追いかけているのであれば、どこかで断ち切るにはどうしたらいいのか。 グラビアン魂でムフフっと思っている僕らでも、何かできることはあるのだろうか。 と、かなり硬派な内容です。 個人的にも堤さんの文春新書の「貧困大国アメリカ」シリーズは、薄ら寒い気持ちになりながら読み続けてきたの

        • ブックライティング100本ノック、終了した4年前

          4年前、2020年のブログから。 気づいたら、ブックライティングのお手伝いをした書籍が100冊をこえていました。 うーん、えらいこっちゃ。 2、3年前にインタビューをしてもらうというレアな経験をしたとき、「この先の仕事についてどう思っています?」的なことを聞かれ、「とりあえず100本ノックをクリアしてから考えます」とかなんとか答えたのですが、その後の2年が年に10冊ペースで本が出る不思議な2年間になってしまい、予想外の速度で100本ノックが終了。 はてさて、何かが見えて

          9年前、ブックライティングした本が55冊の時に思っていたこと

          ゴーストライターという単語はすっかりグレーな色合いになってしまいましたが、ライター稼業には本を1冊書き下ろすという業務があります。 最近、ブックライターって呼ぶ人、名乗る人もいるようです。 業務内容としては、本にまとめるべき知慧を持った方に長時間お話を聞き、資料や草稿などと組み合わせ、こね上げて、原稿化。担当する編集者さんと全体のトーンや見出しについて協議して、より良い着地点を目指していく仕事です。 書き方も作り上げ方も誰かが体系的に教えてくれるわけではないので、手探り

          9年前、ブックライティングした本が55冊の時に思っていたこと

          本の補助線

          1年後の自分に向けて忘れないように書いておこうと思います。 忘れてたら、思い出すように。 ここ数冊のブックライティングのうち、著者さんもパワー全開で、編集さんもデザイナーさんもいい仕事をしてくださって、本としていい勝負になる仕上がりになったと感じたのに、売れ行きが思ったほどではない本があります。 大型書店も店を閉じる時代、思ったより売れない理由はいくらでもあるのでしょう。でも、ライターとして「あれが欠けているからかも」と気づいたことが1つあります。 それは著者さんがこの

          書く仕事が減ったときの処方箋

          翻訳物のビジネス書によくこんな場面が出てきます。 “独立から3年目、フリーランスで働くあなたは初めて躓きを感じています。安定していた大口のクライアントとの契約が更新されず、収入は3分の1に。その代わり、自由な時間は倍になりました。 当初、あなたはこう考えます。 『休暇だと思って、旅行に行こう。新しい企画を考え、プレゼンしてみよう』 しかし、旅行は実現しません。いくつかのサイトで調べるうち、来月から減る収入と出て行く旅費を比較し始め、不安になったからです。 『この先の生

          書く仕事が減ったときの処方箋