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9年前、ブックライティングした本が55冊の時に思っていたこと

ゴーストライターという単語はすっかりグレーな色合いになってしまいましたが、ライター稼業には本を1冊書き下ろすという業務があります。

最近、ブックライターって呼ぶ人、名乗る人もいるようです。

業務内容としては、本にまとめるべき知慧を持った方に長時間お話を聞き、資料や草稿などと組み合わせ、こね上げて、原稿化。担当する編集者さんと全体のトーンや見出しについて協議して、より良い着地点を目指していく仕事です。

書き方も作り上げ方も誰かが体系的に教えてくれるわけではないので、手探りしながら、冷や汗かきつつ、書いて覚える世界(でも、最近は講座ができたみたいです)。

たぶん、他のライターさんにやり方を聞いたら、まったく違うアプローチの人もいるはずです。正直、スケジュールにある程度の余裕を持たないと非常に危険な綱渡りが待っています。

僕自身、20代の後半に1冊やって、「こりゃ大変だ! まだ無理かも……」と撤退し、30代の半ばからありがたいお声掛けもあり、本格参戦。

当時、心に決めたのは、「野球の100本ノックに習って100冊書くまではどんな人、どんなジャンルでもやってみること」でした。

それだけやれば、売れる書き方もできるようになるのでは…と思ったわけです。そこは業務ですからね。5000部よりは1万部、1万部よりは3万部、3万部より5万部……です。

それから6年? 7年? 
昨日、仕事部屋の本棚を整理しながら数えてみたら、担当した本が55冊になっていました。

毎年、けっこう書いてきたはずが、まだ6合目が見えてきたところかーとショックを受ける一方、そのジャンルの無節操さに我ながらニヤニヤ。

ストレートな経済本もあれば、陰謀論寄りの経済本もあり、大エンターテイメント企業に学ぶ人材育成術や叩き上げの営業のプロによる売り方本といった手堅いジャンルもあるかと思えば、誰でもフルマラソンが走れるようになるランニング論や某協会会長の自叙伝、健康本、心理学本、脳科学に宇宙本…。
(重版率が5割近いのは悪くない数字だと信じたい)

このペースで行くと、100本ノックが終わるのは40代半ばです。
その時点で、何が残るのか、書き飛ばしただけで終わるのか。なんだかドキドキしております。

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