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ブックライティング100本ノック、終了した4年前

4年前、2020年のブログから。

気づいたら、ブックライティングのお手伝いをした書籍が100冊をこえていました。
うーん、えらいこっちゃ。

2、3年前にインタビューをしてもらうというレアな経験をしたとき、「この先の仕事についてどう思っています?」的なことを聞かれ、「とりあえず100本ノックをクリアしてから考えます」とかなんとか答えたのですが、その後の2年が年に10冊ペースで本が出る不思議な2年間になってしまい、予想外の速度で100本ノックが終了。

はてさて、何かが見えてきたのか……と言えば、そうでもなく。
毎回、もうちょいいい原稿、いい取材のやりよう、いい連携、いい関わり方があったのではないかと思いつつ、でも、すぐに次の1冊が……という駆け足で日々が過ぎていっています。

そもそも主戦場が雑誌から書籍に移ったのも、考え半分、成り行き半分で。
息子氏1号が生まれ、おっぱい以外はなるだけ子育てしていきたいし、妻には思うように仕事をして欲しいしってところで、週に4回も5回もインタビュー取材がある慌ただしい感じをどうにかしたいなと思い始めたのが、スタートです。

その点、書籍の仕事は在宅時間を長くできるし、週刊誌や月刊誌に比べたら締め切りに向けたペース配分もしやすいから、こちらを増やそう、と。

また、7年前は明らかに雑誌という媒体そのものが淘汰されていく流れがあり、看板を活かしてWebメディアの顔を持つ方向に舵を切れない雑誌、最新情報をパッケージ化している雑誌は次々と姿を消していっていました。
そういった媒体で、俳優さんやタレントさん、作家さんなんかにインタビューするページを担当していたわけですが、雑誌の影響力の低下はアポ取りの最中に如実に感じるようになっていきます。

以前は90分は確保できた長めのページのインタビュー取材も、徐々に60分で、45分で、写真撮影込みに。
賞味40分や30分で掘り下げた話を聞くのはなかなか難しく、相手の宣伝したい内容を受け取った上で、どの線からアプローチしていくか。それを探りながらインタビューするのは、ドーパミンがどくどく出て楽しくもあったんですが、同時に「もうちょい、ゆっくり聞きたいな」という思いも強くなっていきました。

つまり、何か明確なビジョンがあって書籍にシフトしたわけではなく、生活者として、市場環境の変化として、いちライターの欲求として、こっちの方が良さそうでは? くらいの進路変更だったわけです。

その時点で30冊くらいはゴーストしていたので、聞き取り取材をし、1冊分の商業的な原稿を書いて納品できる感覚はありました。
ただ、それを年に5冊も、6冊もできるのか。それだけの発注があるのか、そもそも生活を支えるだけのキャッシュは回るのか。そしてなにより、読者、編集者、著者の三者から良いと思ってもらえる構成と原稿がコンスタントに上がるのか。

よくわからないまま、なだれ込み、今に至ります。
結局、講座にも通っていませんし、誰からも正しいブックライティングの方法は習っていません。

常に見様見真似。

何なら現場でベストセラーのある著者さんや編集さんに「前作はなんでこの構成になっているんですか?」と逆取材しながら、昭和的見て盗むでやってきました。

で、気づいたら100冊。

この構成、このトーンならそこそこイケるんじゃねぇって思っていても、出てみたら鳴かず飛ばずなことも多々あり、実用書、ビジネス書の売れる売れないは「テーマ」と「著者さん」と「時流」が大事で、原稿なんかさーーーとうらぶれた気持ちにもなったりしますが、それでも著者さんが一発目の原稿を読んで「おお!」と言ってくれれば、チームの士気も上がるし、それでいいのだと納得させながら、進んでおります。

目下の悩みは、何をどうやりくりしても1人では年に10冊以上はできそうにないことです。
そりゃね、独り身になって原稿だけ書いてりゃもっとできるでしょうけど。それは1ミクロンも望んでいないので。
息子氏2号もまだ2歳ですからね。
もう何年かは育児にフルコミットで、ノックを続けていこうと思います。

しかし、読者に寄り添う原稿ってなんなんでしょうね。
(最近、一番胸に響いた赤字です)

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